初雪で雪化粧したあさご芸術の森で野外アートを巡る
12月15日、但馬地域の平地で初雪が降り、その後も強い寒気の影響で一気に真冬の季節に様変わりしました。
今日は、朝来市多々良木を訪れ、初雪で雪化粧したであさご芸術の森を散策したいと思います。
前回訪問した10月26日には、色づきはじめた紅葉と野外アートとの共演を楽しむことができましたが、今回はどのような姿を見ることができるのか楽しみです。
あさご芸術の森は、旧朝来町(現在の朝来市)が1990年に描いた「芸術の森構想」をベースとして、自然に溶け込むように彫刻が点在する野外彫刻公園と、屋内施設であるあさご芸術の森美術館で構成される森全体がアートな公園です。
あさご芸術の森に行くには、姫路方面から来られる方は国道312号線の多々良木交差点で右折します。
芸術の森の入口から美術館まで約3kmと少し距離がありますが、道中にはポケットパークが整備され、様々なアート作品が点在しているので、訪れる人の目を楽しませてくれます。
アート作品の多くは公募展で選ばれたもので、受賞作品が年々設置され、あさご芸術の森が形成されていきました。
最初のポケットパークで出迎えてくれた作品は、「Seven Friends」です。
雪でモノトーンな背景に黄色の配色が際立ち、作品の表情が豊かに感じられます。
金属的な配色が風景と調和し、作品の魅力が引き出されているように感じます。
2019年の第8回あさごアートコンペティションで大賞に選ばれた作品で、野を駆けるウサギをアルミニウムで表現した作品だそうです。
雪山を飛び跳ねるウサギのように躍動感が感じられます。
降り積もった雪が赤を基調とした作品を引き立てています。
こちらの作品を目印に右折します。
ちなみにまっすぐ進むと多々良木ダムに行くことができます。
芝生広場の緑から降雪で白に変化し、作品自体の配色と相まって、わびさびのある雰囲気が伝わってきます。
芝生広場が緑のときは作品が浮いたように感じられましたが、今回は石が重くなったように感じられます。
冬のモノトーンな雰囲気の中で見ると、蒸気機関車の懐かしさをより強く感じます。
午餐に集まった動物たちも冬はさすがに寒そうですね。
ちなみに写真の角度では木で隠れていますが、左から2番目は「YOUR SEAT」となっており、動物たちと一緒に座ることができます。
「あさご芸術の森美術館―淀井敏夫記念館―」では、朝来市出身で文化勲章を受章した彫刻家・淀井敏夫氏の作品を、館内や広大な野外彫刻公園に展示しています。
淀井氏が野外彫刻を制作するにあたって重視されたのは、「自然」と「作品」とが一体となることで、あさご芸術の森ではその理念が表現されています。
あさご芸術の森美術館の背後には、高さ64.5メートルの多々良木ダムという石を積まれたロックフィルダムがあります。
雄大で芸術的なロックフィルダムと野外アートとの共演は、ここでしか味わうことのできない眺めです。
中央の作品は、淀井氏の「鴎」(カモメ)です。
自然豊かな森の中の公園には、遊歩道、遊具、ベンチ、東屋があります。
背後には多々良木ロックフィルダムが見えます。
あさご芸術の森の中には、多々良木フォレストリゾートCoCoDeがあります。
管理棟を通り抜けると、珍しい宿泊棟に出会います。
CoCoDeは兵庫県初のドーム型宿泊施設で、ペット(犬)とお泊り出来る部屋も用意されています。
雪がさらに積もると、かまくらのような宿泊棟になりそうですね。
多々良木ダムの堰堤から見下ろすと、芸術の森と美術館の全体が見通せます。
写真撮影はダムの堤頂通路がオススメですが、今日は積雪で立入禁止のため、若干斜めからの撮影となりました。
紅葉の季節に訪問した時は、色鮮やかな紅葉と野外アートとがお互いの魅力を引き立てあっているような印象でした。
今回は、雪化粧により風景がモノトーンで控えめな感じとなり、野外アートの持つ魅力をより引き出しているような印象を受けました。
あさご芸術の森は、自然とアートが融合されていることで、四季の移り変わりによって作品も違う雰囲気を醸し出します。
いつ来ても楽しめるスポットです。