雪景色の湯煙り立つ湯村温泉街を歩いてみました!
但馬の日帰り温泉とその周辺の見所を紹介する「たじま温泉めぐり」
温泉であったまる前に、温泉周辺を散策してみるのはいかがでしょうか?
新温泉町にある湯村温泉は、平安時代に慈覚大師によって開湯したと伝わる歴史ある名湯です。
98度の無色透明の炭酸泉が豊富に湧き出ており、温泉街の全家庭に配湯され各家庭の蛇口をひねれば温泉がでてきます。
街の中心にある源泉「荒湯」では卵や野菜などをゆがく風景が日常となっているなど、まさに「湯」の村です。
そんな湯村温泉にある日帰り入浴施設「薬師湯」を拠点として、雪景色の温泉街を巡ってみましょう。
湯村温泉の源泉「荒湯」のほど近くにある公衆浴場「薬師湯」です。
薬師湯は、石鹸の泡立ちもよく、また刺激も少ないのが特徴で、入浴後も肌がすべすべでさっぱりとするそうです。
源泉かけ流しの天然温泉のぬくもりを存分に味わうことができます。
2008年(平成20)この場所に薬師湯が建設される前には旧温泉町役場の庁舎がありました。
旧役場の建物は、1933年(昭和8)建設のモダンな建物で薬師湯の前には、銘板と礎石が保存されています。
湯村温泉観光交流センター「薬師湯」
〒669-6821 兵庫県美方郡新温泉町湯1604
営業時間:午前7時~午後9時(入浴受付は午後8時30分終了)
定休日:毎月15日
駐車場:あり(薬師湯利用で2時間無料)
薬師湯のパンフレットPDF
湯汲み場「令和の湯」
(新温泉町ホームページより)
2019年(令和元)4月から、簡易式温泉スタンドである「令和の湯」が供給開始されました。
源泉100%の約80℃の温泉をワンコインから買うことができます。
ミスト用汲み口もあり、霧吹きボトル(300円で販売)に汲んで乾燥した肌などに噴射することで保湿などに効果があるとのこと、お土産にもいいかもしれませんね。
温泉バイナリー発電
温泉を活用した発電「バイナリー発電」の施設が併設されており、地域電力が途絶する災害などが発生した際に運転するよう管理されています。
それでは、薬師湯をスタートして湯村温泉街を雪景色と温泉街を楽しみながら歩いていきたいと思います。
湯村温泉の豊富なお湯は、雪を溶かすためにも活用されているようですよ。
薬師湯を出て、すぐにある橋「夢千代橋」をわたると夢千代館があります。
湯村温泉は、1981年(昭和56)に放送されたNHKドラマ「夢千代日記」のロケ地となりその風情が全国に知られるようになりました。
夢千代館は、ドラマの中で描かれた昭和30年代後半の懐かしい湯村温泉が再現されており、夢千代日記の世界観に浸ることができます。
1年後の自分や、友達に手紙を送ることのできる「夢てがみ」を送るポストがあります。旅の記念に投函してみてはいかがでしょうか
夢千代館
開館時間:午前9時~午後6時
休館日:通年営業(ただし、臨時休館日あり)
入館料:300円(一般)、150円(小中学生)
問い合わせ:0796-99-2300
http://www.refresh.co.jp/yumechiyo/
夢千代館の近くにはトリックアートが描かれています。
雪のなかから飛び出してきているようですね!!
夢千代館から湯村温泉の荒湯方面にむかって少し進むと左手に「おばあかふぇ ゆむら屋」があります。
地元の菓子工場が観光スポットとして、工場を定年退職した「おばあ」を看板娘にオープンしたカフェ。
名物の栃もちの入った大判焼き「根性焼き」や、初恋の味のする?おはぎなどユニークなメニューが並びます。
また、店内に所狭しと飾られている手書きの色紙のメッセージが笑いを誘います。
おばあかふぇ ゆむら屋
住所:新温泉町湯82-1
営業時間:午前10時~午後5時(時間変更あり)
電話:0796-85-8010
定休日: 第2第4火曜日
おばあカフェから、さらに少し進んだところに朱色の欄干の「繁栄橋」から湯村の温泉街を眺めることができます。
温泉街の背後にある清正公園は、春は桜、秋には紅葉の名所となっていて四季折々の風景を楽しめるスポットです。
こちらは、紅葉の時期の湯村温泉と清正公園です。
関連記事:湯村温泉街・清正公園の紅葉を満喫!
春来川沿いに沿って歩いていくと、湯村温泉観光協会の隣に「杜氏館」があります。
但馬地域は雪深い地方のため、かつては冬場の出稼ぎに全国各地へ酒造りに出かけていました。
酒造りの責任者は杜氏(とうじ)と呼ばれ、「但馬杜氏」は日本四大杜氏に数えられています。
杜氏館では、酒造りの行程や使われていた酒造りの道具、資料などが展示されています。
冬場は、宿泊者限定で日本酒の試飲ができるサービスもあるみたいですよ!詳しくはお問い合わせください。
杜氏館
開館時間 :午前9時~午後6時 (変更となる場合があります)
入場料 :無料
休館日:1月1日
電話:0796-92-2000 (湯村温泉観光協会)
杜氏館を出て、対岸にある源泉「荒湯」の湯煙みて、雪景色を楽しみながら春来川沿いを歩きます。
春来川沿いを進んでいくと、夢千代広場があります。
ドラマ「夢千代日記」の主人公・夢千代のブロンズ像が建っており、脇には演じた吉永小百合さんの手形などが飾られています。
夢千代は、広島での原爆投下による胎内被爆者であったことから、広島市庁舎旧庁舎から被爆当時の敷石を譲り受けていて台座に使用されているそうです。
夢千代広場付近にかかる橋をわたると、もくもくと湯気が立ち温泉の香りがしてきます。
湯村温泉街のシンボルである源泉「荒湯」からは、98℃の高熱泉が毎分470リットルも絶え間なく湧き出ているそうです。
湯量が豊富な荒湯は、365日24時間誰でも利用ができ、地元の人だけでなく観光に訪れる者にも広く開放されています。
近くのお土産屋さんで、ネットに入った卵を購入することができます。
この湯壺に、12分間程度つけておくと半熟のプルプルたまごができあがりますよ!
98℃の高温ですので、やけどには注意が必要です。
また、市販のコンデンスミルクの缶を8時間つけておくと生キャラメルができるのだそうです。
旅館によっては、荒湯キャラメルとして夕食のデザートになっているところもあります。
荒湯付近から河川敷に降りると天然かけ流しの足湯があり、雪の中の散策で冷えた足をあっためることができます。
夏は暑くて長時間入っていられませんが、冬はゆったりと雪景色を眺めながら、くつろぐことができます。
その昔、地域の方も農作業の帰りに川からあふれ出た温泉で足をつけて一休みしたそうですよ。
足湯近くには、飲み物の温め処が設置されていて、温泉で缶コーヒーなどをあっためることができます。
足湯に入る前に入れておくといいかもしれませんね。
足湯のある河川敷沿いには、芸能人や文化人の方々の手形を見ることのできる「ふれあい手形散歩道」があります。
NHKテレビドラマ・夢千代日記の放映以来、湯村温泉は全国で脚光を浴び、多くの芸能人や文化人が湯村温泉を訪れており、歌手やスポーツ選手など各界で活躍する著名な方々が手形を残されています。
どんな方の手形があるか、ゆっくり見てみたくなります。
河川敷からゆっくり眺める湯村温泉街の町並みも、視点が変わって風情がありますね
足湯であたたまったら、お土産の買える荒湯センターの隣に湯村温泉ポケットパークがあります。
ポケットパークの常夜灯風の建物の中には、湯村温泉の元湯で「株湯」とよばれる泉源があるそうです。
98℃の温泉が毎分300リットル湧き出しており、薬師湯の温泉などにも使用されているとのこと。
湯村温泉には49箇所の泉源があって、全体で毎分約2000リットルもの温泉が湧き出ていているそうです。
湯村の町中には温泉専用の配管が通っていて、各家庭に配湯されており蛇口をひねれば温泉が出てくるそうです。
湯村温泉街を歩いていると道路に「温」とかかれた赤色の蓋をいたるところで見ることができます。
これは配管修理の際に温泉の流れを止める仕切りの弁とのことです。
湯村温泉の理髪店では、なんと温泉で髪の毛を洗ってくれるようですよ!
写真は、理髪店に飾られているポスターです。
こんなユニークなキャッチコピーと合わせて温泉街の商店を紹介するポスターが、いくつか貼られているので探して回るのも楽しいですね。
湯村温泉街の散策をさらに楽める、遊び心のある仕掛けが「隠れハートを探せ!」です。
温泉街に隠れているハートの形をしたものを見つけて、スマホやカメラで撮影・保存すると幸せになれるというもの。
見つけたハートを5つ集めて画像を観光協会で提示するとちょっとしたプレゼントがもらえるそうです。
この写真にも、ある部分がハートに見えますよね??
詳しくは、湯村温泉観光協会(0796-92-2000)へお問い合わせください。
湯村温泉に冬におとずれると風情のある雪景色をながめながら散策することができました。
湯村の街は、荒湯を中心に半径400mの範囲に町が形成されていて、人が歩くのにちょうどいい距離なのだそうです。
温泉や足湯につかったり、温泉卵を作ったりと温泉街ならではの楽しみに加えて、散策を楽しむことのできる遊び心のある様々な仕掛けがありました。
雪景色が楽しめて、身も心もあったまる冬場の湯村温泉街を訪れてみませんか?