豊岡駅周辺のエモくレトロな町並みと活性化への新たな試み~その2~
豊岡の新しい遊び場「とゞ兵(とどひょう)」
豊岡駅通商店街を駅側から歩いて行った終点近くを右に曲がると「カバンストリート」が現れます。
豊岡の地場産業である鞄の販売や修理・クリーニングを行うお店が多く軒を連ねる商店街です。
その商店街の奥にひときわ目立つ建物があります。
これが、豊岡市街地活性化の拠点の1つ【とゞ兵】です。
元々、【とゞ兵】は約90年の歴史を持つ老舗料亭でしたが、時代の流れとともに廃業、取り壊されてコンビニが建つ計画が進んでいたということです。
そこに現オーナーの小山さんが【とゞ兵】を買い上げ、街の新たなハブスペースとなる複合施設として再生されました。
よく見ると、入り口の上に料亭時代の【とゞ兵】のプレートが残されています。
巨大現代アート
建物の壁面全体に描かれたド派手な巨大アート。
オーナーの小山さんの「豊岡でもパブリックスペースにアートを取り入れたい」との思いを、 世界的なストリート・アーティストである大山康太郎さんが手掛けられたものです。
コウノトリの翼をモチーフにしたウォールアートとなっています。
todo bien coffee
入口付近の一画にはカフェ「todo bien coffee」があります。
明るくおしゃれな店内で、小物やアート作品の販売もされています。
スペシャルブレンドコーヒーなど美味しそうなメニューが並びます。
料亭の面影残る素敵空間
敷地の中に入ってみると、中庭のような広い空間が!
ベンチやテーブルがあり、ちょっとしたオープンカフェのような感じになっています。
ここは屋外多目的スペースで、バーベキューができる設備も準備されていました。
よく見ると、料亭時代の庭石や植木、石灯籠も残されているんですが、不思議と違和感はありません。
料亭時代の店内に入ってみると、正面には指揮者に合わせて二匹の「とど」が歌っているような絵が飾ってあります。
コウノトリもたくさん飛んでおり、なんとも豊岡っぽいとても味のある絵です。
シルクスクリーンでしょうか?陶板のようなものに印刷されていました。
料亭時代からのシンボル、「トド」のはく製も残っていました。
これを見て懐かしがられる地元の方が多いそうです。
料亭時代は入口の右側がショーウィンドウになっており、そこにこの「トド」が展示されていました。
【とゞ兵】の名前の由来にもなったこのはく製。今も大事にされています。
1Fの和室です。当時の料亭の部屋がそのまま残されています。
レンタルスペースということで、申込みをすればミーティングなど様々な用途で使えるそうです。
2Fの大宴会場です。ステージと緞帳も料亭時代のまま。この部屋もレンタルスペースです。
かなり広いので色々な用途で使えそうですね。
実際にイベントやパーティーなどで使ったことがあるそうです。
3階にも特別に上がらせてもらいました。なんとここは、神前の結婚式場だったそうです。
中央奥に鏡が鎮座した立派な神棚があるのが見えます。
豊岡市で初?の結婚式場だったとか…
この部屋のレンタルは今のところできません。
こちらは2Fのイベントスペースです。この部屋は内部を改装し、若者向けの雰囲気に仕上げられています。
スピーカーやレコード再生機器があり、音楽系のイベントが時折開催されています。
この施設、まだまだ他にもコアワーキングスペースやシェアキッチン、ギャラリー、ポップアップショップ、バー&レストランが併設されています。
広い敷地・建物を生かし、市内の有志によるアートや音楽に関するイベント、ワークショップなどもよく開催されるそうです。
古き良きものを守りながら、新しいコンテンツを融合
この【とゞ兵】さん、有料(ドリンク付)で内覧ツアーを開催されています。
オーナーの小山さんのお話が興味深いので、興味のある方はぜひ色々聞いてみてください。
小山さんも豊岡市の魅力にひかれ、活動をされている移住者の1人です。
見学後、改めて【とど兵】さんのホームページを見ていて心に残ったのが「古き良きものを守りながら、新しいコンテンツを融合」というキーワード。
新しい【とゞ兵】は、人が集まる、地域のにぎわいの拠点に再生していました。
まちの中心地にたくさんの歴史的建築があり、改めて見るとそれがまたエモい。
そして、それを保存・活用しながら若い皆さんの拠点が広がりつつある豊岡市。
今回ご紹介したのはほんの一部です。
まだまだいろんな可能性を秘めた町だと改めて思いました。