食材をできるかぎり長持ちさせる「食材の保存方法」
外出自粛が続き、食料品も数日に1回という方も多いはず。スーパーに行く回数を極力減らそうとまとめ買いをする方も増えていますよね。
今回は、管理栄養士・沼津りえさんがさまざまな保存方法で試した保存方法が紹介されている『食品保存大全』から、食材をできるだけ長持ちさせて最後までおいしくムダをなくせる、正しい食材保存方法をご紹介していきます。
■まず知っておきたい!食材が傷んでしまう7つの要因
(1)水分
食材に含まれる水分が蒸発してしまいみずみずしさが失われる場合と、水分が多くなることで微生物が発生する場合があります。
(2)酸化
食材に含まれる酵素と、空気中の酸素が反応して起こる反応。野菜の切り口などが茶色くなるのがその例。
(3)日焼け
日光の当たる場所に食材を置くと、温度が上がって変質します。
(4)保存する温度がまちがっている
食材には食材ごとに適した保存温度というものがあります。温度が低すぎても「低温障害」を起こす場合があります。
(5)腐敗
有益な微生物や酵母が働くと「発酵食品」となりますが、腐敗はさまざまな微生物が増殖して変質し、有毒な成分を作ることもあります。
(6)熟成
野菜や果物は収穫後も成熟を続けますが、それを促すのは「エチレンガス」。りんごやアボカドなどはエチレンガスを多く放出しますが、その影響を受けやすい野菜もあります。
(7)害虫
乾物や米など、長期間保存するものは小さな虫がつくこともあります。未開封のものでも包装を食い破って入ることもあるので、長期保存には注意が必要です。
■肉・魚をおいしく保存する「ドリップ」
『ドリップ』とは、肉や魚などを解凍したときに出る水分のこと。その汁には、うまみや栄養分が含まれているんです。水分を失った食材はやわらかくなりすぎたり、食感も変わったりし、残った水分が菌の繁殖を促すこともあるのだとか。
(1)肉類を冷蔵室で保存するなら
買ってきた肉類は、できるだけ早くチルド室やパーシャル室など、冷蔵庫の低温度室に入れるようにすると◎。
その際に、肉から出たドリップを取り除いて、ラップなどでぴっちりと包んでから保存すると、より雑菌が繁殖しにくくなりますよ。
(2)肉類を冷凍庫で保存する場合
トレーのまま冷凍してしまうと凍るのに時間がかかってしまう上に、解凍時にドリップが出やすくなります。
冷凍する際は必ずトレーから出し、ラップで包んでファスナーつき保存袋に入れて冷凍するのが◎。また、アルミトレーの上などに置いてから冷凍すると、急速に冷凍ができます。冷凍した肉を解凍する際は、低温でゆっくりと自然解凍するのがおすすめ。
(3)野菜を冷蔵室で保存する場合
冷蔵に適した野菜の場合、基本的にはすべて野菜室で保存するのがベスト! 水分が蒸発しないようにポリ袋に入れたり、ぬらしたペーパーでくるんだりするとさらに良いのだとか。
もともと縦に生えていた野菜は立てて保存するなど、野菜の種類に合わせた一工夫で鮮度が保たれるんですよ。
(4)野菜を冷凍庫で保存する場合
すぐに食べない野菜は、冷凍保存するのがおすすめ! 冷凍や解凍ムラを防ぐとおいしく食べることができます。3つのポイントをご紹介します。
(1)水分を取り除く
洗って、ゆでてから冷凍する場合などは、できるだけ水分をとり除いておくのが鉄則です。
(2)空気を抜く
酸化や霜を防ぐために、空気はできる限り抜いてから冷凍してくださいね。
(3)食べやすい大きさに切って冷凍する
あらかじめ食べやすい大きさに切っておくと使うときに楽な上に、冷凍・解凍の際も温度ムラがなくスムーズにできますよ。
【関連記事】もやしを新鮮なまま1週間キープ!すぐ傷みやすい「食材の保存テク」5選『食品保存大全』では、常備食材166種に適した保存方法を1種類ずつ細かく紹介してくれています。ぜひチェックしてみて!(文/藤田真奈)
【画像・参考】
※ まとめ買いした肉や野菜、どうやったら長持ちする? 最後までおいしく食べきる「正しい食品保存」の方法 - PR TIMES
この情報は記事公開時点のものです。
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