映画『居眠り磐音』主演・松坂桃李インタビュー「デビュー10周年に不思議な縁を感じる」
新しい令和の時代の幕開けにおすすめの映画『居眠り磐音(いねむりいわね)』。平成で最も売れている時代小説シリーズを映画化した映画です。
今回は主演の松坂桃李さんが読売テレビの人気番組『キューン!!』に登場し、主人公の魅力や撮影時のエピソードを明かしてくれました。
■『居眠り磐音』あらすじ
作品の舞台は江戸時代。松坂桃李演じる主人公・坂崎磐音は人情に厚く、礼節を重んじる好青年。縁側で日向ぼっこをしながら居眠りする老猫のようで、眠っているのか起きているのかわからないことから、磐音の剣術は『居眠り剣法』と呼ばれていました。
ある日、磐音は故郷である哀しい事件によって2人の幼馴染を失います。そして、芳根京子演じる許嫁の奈緒を残して脱藩することに……。
全てを失い、向かった江戸で幕府が流通させた新貨幣をめぐる陰謀に巻き込まれ、磐音は哀しみを胸に抱えながらも悪に立ち向かいます。磐音と奈緒を待ち受ける運命とは?
■まるで居眠りしているような剣術に挑戦!デビュー10周年となる記念すべき作品
──『居眠り磐音』は原作が大ヒットシリーズですよね。映画化のお話を聞いた時の感想は?
これだけシリーズがあって人気のある作品なのに、今回映画化されるのが初めてだということに驚きました。僕は2009年に放送されたドラマ『侍戦隊シンケンジャー』で俳優としてデビューしたので、俳優10周年となる記念すべき年に侍役を演じることに、不思議なご縁を感じていました。
──剣を使ったアクションはどのようにして行われたのでしょうか?
時代劇はNHKの大河ドラマ『軍師官兵衛』という作品で一度させていただいたんですが、ちゃんと腰を据えて剣を握って立ち合うのは初めてで……1カ月、アクション指導の方に稽古をしていただきながら役を作っていきました。
磐音は、縁側で日向ぼっこをしながら、居眠りをする老猫のようで、眠っているのか起きているのかわからない様子で立ち合いをするのが特徴なんです。その構えや表情をどうするかはアクション監督の方と相談しながら決めていきました。
■今の時代には考えられない選択肢に迫られる瞬間、込み上げる思いがありました
──主人公が哀しみを抱えることになったシーンとは?
磐音は江戸勤番を終え、3年ぶりに戻った故郷である事件に出くわします。それは、幼馴染の慎之輔が、幼馴染の琴平の妹で、慎之輔の妻である舞を斬り、それに激高した琴平が慎之輔本人を斬るという悲惨な事件。
そして、罰せられることとなった琴平を磐音が討ち取るように命じられてしまうんです。しかも琴平は、磐音の許嫁・奈緒の実の兄……磐音の心に深い爪痕を残したシーンです。
──想像を絶する展開ですね。演じる時にも込み上げるものはありましたか?
ありましたね。その時代だからこそ選択してしまう斬るという行為。今では考えられない選択肢に迫られる瞬間を演じながら、台本には書かれていない感情が湧き出てきました。
■一筋縄ではいかない男女の恋模様にも注目!?
──作品の中では、許嫁の奈緒と江戸で出会ったおこんという女性から好意を寄せられ、磐音の一筋縄ではいかない恋模様が描かれていますね。
時代劇ならではの、相手を想う強さや儚さがぎゅっと詰まっています。現代のように連絡網が普及していない時代、磐音と奈緒のように愛している人と離ればなれになって生きていかないといけない状況には胸がしめつけられるものがあります。
──実際の松坂桃李さんは、奈緒とおこんどちらがタイプですか?
芳根京子さん演じる奈緒のように月のような強い光を持っている女性と、木村文乃さん演じるおこんのように太陽のように元気な女性。2人はとても対称的ですよね。僕は普段自分からあまりしゃべる方ではないので、どちらかというとたくさん話してくれそうな、おこんの方がありがたいかもしれません。
──松坂桃李さんが思う、磐音の魅力はどんなところですか?
人情に厚く普段はおっとりしているけど、守らなければいけない場面が訪れた時にしっかりと武士になる、そのギャップは魅力のひとつじゃないかと思います。
優しさの中に秘めた強さ、愛する人を想う気持ち、磐音の人柄には、現代の日本人が忘れてしまった真の男の姿が描かれているはず。映画『居眠り磐音』は、5月17日(金)公開です。
あなたもぜひ劇場に足を運んでみては?(文/原田静香)
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※ ⓒ2019映画「居眠り磐音」製作委員会/anna