ライオンが大好きな岩とは!? 大阪『天王寺動物園』の休園日の動物たちに密着
大阪市にある『天王寺動物園』は、およそ200種類、1,000以上の動物が展示されている、関西ではおなじみの動物園。開園日には多くの来園者で賑わっています。
でも、お客さんがいない休園日の動物たちは、どのように過ごしているのでしょうか?
2019年3月15日(金)読売テレビ『大阪ほんわかテレビ』で放送された『情報喫茶店』では、天王寺動物園の休園日に潜入! 今まで知られていなかった天王寺動物園の裏側に迫ります。
■1:愛くるしいコアラは飼育料に3,600万円もかかる!?
園内でも大人気のかわいらしいコアラ。休園日には寝起きのコアラに、まずはブラッシングをしてあげます。
そして休園日も変わらず外へ出してあげます。外で走り回ったり、木の上に登ったり、無理をせずにコアラのペースで自由に遊ばせてあげるんだそう。
1日の大半をユーカリの木の上で過ごすというコアラ。そんなコアラの大好物はユーカリの葉。毎日新鮮なユーカリの葉をエサに食べているそう!
天王寺動物園では、全国5カ所のユーカリ栽培業者と専属契約していて、コアラの飼育に必要なエサの確保をしています。
1年間のコアラの飼育には、ユーカリの木やエサ代のほか、管理費など合わせると、なんと3,600万円もかかるそう! これは、天王寺動物園の飼育料の中で一番高額だそうです。
■2:実はキケンな「カバ」…おそるおそる歯磨きで健康チェック
体重がおよそ2トンあるカバ。休園日には、口の中の健康チェックも兼ねた大事な作業があるんです。それが歯磨き。
しかし見た目は、おっとりしていますが、走れば時速40kmにもなると言われていて、人間を襲い死亡事故が最も多い動物。そのため、カバの様子を注意深く観察して、歯磨きをする必要があります。
飼育員さんも怖くなって逃げることがあるほどの迫力……。お腹が空いているときは、おやつをあげてから歯磨きさせます。飼育員さんとカバのコミュニケーションが必須のお仕事です。
■3:2頭のホッキョクグマが外に出る時間帯は、それぞれ別々!その理由は?
天王寺動物園に2頭いるホッキョクグマ。休園日も、いつもと同じように外に出してあげるのですが、朝から夕方までの時間で入れ替え制で、1頭ずつ外に出る時間を作っているそうです。
なぜ2頭揃って外に出さないのでしょうか? その理由は群れをなさずに、単独生活を好むから。ホッキョクグマは1頭ずつじゃないと、逆にストレスを感じてしまうのだそう。
■4:サイが合図の通りに動いてくれるトレーニングを実施
こちらも同じく群れを作らず、単独で行動するサイ。今、このサイには、動物が合図の通りに動いてくれる『ハズバンダリートレーニング』という訓練を実施中。
これを完璧に行えば、健康診断や治療などに動物自らが協力してくれ、麻酔を使うことなく採血もできるようになるんだそう! こちらも飼育さんと動物のコミュニケーションが大切なんですね。
■5:フラミンゴの綺麗なピンク色はエサの影響?
続いてはフラミンゴの豆知識。フラミンゴといえば、綺麗なピンク色が特徴ですが、普段フラミンゴが食べているエサの影響で、こんな赤い色になっているのをご存知でしたか?
天王寺動物園であげているエサの1つが、このオキアミ。この赤い色素が、フラミンゴの体の色を赤く変えているんです。
子どもの頃のフラミンゴは、グレー色の体をしていて、成長とともに赤くなっていくそうですよ。ちなみにオスは、体の色が赤ければ赤いほど、モテるんだそう!
■6:ライオンが寝そべる岩には秘密がある!
岩に寝そべり、堂々とした姿がかっこいいライオン。天王寺動物園のライオンたちは、この岩の上が大好きなんです。
実は、ライオンが寝そべる岩はニセモノ! 岩の表面を床暖房のように温めているそうですよ。そして、お客さんが目の前に設置することで、ライオンを近くで見られるようにしていたんです。
午後4時になると、ライオンは檻に戻って食事の時間。食べるものは、鶏肉や牛肉などなんと6kg!
この日は絶食した次の日だったため、腹ペコ状態でしたが、大量のお肉もライオンの目の前に差し出すと、たったの3分ほどでペロリと完食。さすが百獣の王です。
■7:夕方から動物たちは、おやすみの時間
夕方になると、動物たちが順番に部屋に戻ります。野生のコアラは、地面に天敵がいることが多いため、なかなか、木の上から降りないそうです。獣医さんが木にはしごをかけて、コアラの近くに登り、「帰ろうか」と優しく呼びかけて、室内に帰るように促すんだとか!
毎日、ゆっくり、室内へ帰っていくそうです。なんともかわいい後ろ姿ですね!
部屋に戻った動物たちは、お休みの時間。動物たちの中には、警戒心が強く、あまり多く眠らない動物もいるそうです。キリンの1日の平均睡眠時間は、たったの20分!
野生では肉食動物から、すぐに逃げられるよう、立ったまま眠るそうです。カメラを設置して、寝ているところを撮影しようとしたところ、いつもは無いカメラの存在に気づき、カメラのケーブルを引き抜いてしまいました……!
飼育員さんも檻の中で寝ている姿を見たことがないそう。もし見かけたらとってもレアかもしれませんね!
いかがでしたか? 休園日の天王寺動物園では、開園日と変わらない動物たちの元気な姿が見られました。週末やゴールデンウィークにぜひ足を運んでみては?(文/原田静香)
<施設詳細>
天王寺動物園
住所:大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-108
最寄駅:御堂筋線『動物園前駅』/南海・JR『新今宮駅』/御堂筋線・JR『天王寺駅』
電話:06-6771-8401
営業時間:9:30~17:00(※入園は16:00まで)
※5月・9月の土日祝は9:30~18:00(※入園は17:00まで)
休園日:毎週月曜日(休日にあたる場合は翌平日休)
【画像・参考】
※ 読売テレビ『大阪ほんわかテレビ』(毎週金曜 よる7時~)
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