関西をもっと楽しむライフスタイルマガジン
日本の和を象徴する「苔の美」。いつもは気に留めない足元も、初夏にかけて色づく緑の絨毯が、雨上がりにより一層キラメきます。幻想的な苔庭が見れる、奈良市内のおすすめ2か寺をご紹介♪
唐招提寺
秋篠寺
春日山原始林もぜひ!
南都六宗の一つ・律宗の総本山である唐招提寺は、759年に鑑真和上が新田部親王の旧宅地に戒律を学ぶ道場を開いたことに始まる寺院。創建当初は講堂や経蔵、宝蔵などがあるだけでしたが、弟子の如宝らにより伽藍が整えられました。
1998年に「古都奈良の文化財」の一つとして世界遺産にも登録されています。
境内北東の奥まった静かな場所にある開山御廟は鑑真和上の墓所。墓前へと向かう参道には青々とした苔の絨毯が広がり、雨露が輝く露の時期は特に美しい景色となります。
また御廟前には、和上の故郷・揚州(中国)から贈られた瓊花(けいか)が植えられ、初夏に可憐な花を咲かせます。
奈良県奈良市、平城京の西北に位置する「秋篠の里」とよばれる場所に建つ『秋篠寺(あきしのでら)』は、奈良時代最後の勅願寺といわれています。
天平宝亀7(776)年、光仁天皇(天智天皇の孫・桓武天皇の父)の勅願で建立、桓武天皇時代に伽藍が整備されました。平安末期の火災でほとんど焼失したものの、当時を偲ばせる土壇や礎石が今ものこります。
秋篠寺は苔の寺としても有名で、境内に入ると参道の両脇に苔庭が広がっています。梅雨の時期が間近に迫っていますが、苔と雨はとても相性が良く、水分を含んだ苔はキラキラとして、鮮やかな緑の絨毯が参拝に訪れた人を迎え入れてくれます。梅雨のシーズンだけでなく、春夏秋冬の植物と苔との共演が楽しめますよ。
普段は見ることのできない「大元帥明王像(重文)」は、6本の腕をもつ2mを超える寄木造の像。怒りの表情で炎のように髪を逆立て、蛇を体に巻きつけた姿はとても迫力があります。こちらは、普段拝観可能な本堂ではなく、大元堂に安置されています。また、東門の近くには、大元帥明が現れたという「閼伽井(あかい)」という水を汲む井戸がある「香水閣」では、秘仏公開のこの日だけ門が開けられ、霊泉(神水)の振る舞いが行われます。
6月6日は、とても混み合い行列ができるので、お越しの際は十分時間の余裕を持ってご参拝ください!
原始林のウォーキングコースは3つ。遊歩道北口から入る春日山原始林周遊コース、高畑町奥の遊歩道南口から入る滝坂の道・石畳と石仏のコース、3月中旬から12月中旬までと季節限定の若草山周遊コース。
そこでガイドウォークをしてくださるのが「春日山原始林を未来へつなぐ会」。ガイドの方々が、森の魅力と原始林の現状について詳しく説明してくださいます。
ガイドをする会員には様々なエキスパートがおり、コケやきのこの専門、巨木に強い人、動物に詳しい、鳥に詳しい人など各々の得意分野を中心に話をする。現状を説明し未来へつなぐという根本は一緒だが、原始林の様子についてはガイドによって得意分野の話が違うのがおもしろい!
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