2019年は亥年!京都のいのしし神社「護王神社」へ初詣はいかが?
年の瀬も近づき、いよいよ年末ムードも高まってきましたね! 来年2019年の干支は亥年。京都にはイノシシを祀る寺社がたくさんあります。その中でも「いのしし神社」と呼ばれている護王神社をご紹介。新年の初詣にオススメ!神社に伝わるイノシシとの深〜い関係に迫ります。
和気清麻呂公を祀る護王神社
京都御所の西側にある護王神社。こちらの神社は、もともとは高雄山神護寺の境内にあり、和気清麻呂(わけのきよまろ)公*を祀っていました。
「護法善神」と称され祀られていましたが、江戸時代末期に和気清麻呂公の功績が讃えられ、明治7年(1847)に、「護王神社」と改称されました。そして明治19年(1866)に明治天皇の勅命で、現在の位置に移ってきたのです。
さて、この和気清麻呂公とは一体どのような方なのでしょう…?イノシシとの関係とは?
*和気清麻呂(わけのきよまろ)公…天平5(733)年~延暦18(799)年。備前(岡山県)出身。桓武天皇に平安遷都を推進し、造宮大夫として活躍。
なぜ「いのしし神社」と呼ばれるの?
護王神社は「いのしし神社」とも呼ばれます。ではなぜそのように呼ばれるのでしょう?それははるか昔、奈良時代にまで遡ります。
時の天皇の寵を得ていた弓削道鏡(ゆげのどうきょう)という僧は、あろうことか天皇の地位を狙い、「私を天皇にすれば世の中は平和になる、と宇佐八幡(大分県)より神のお告げがあった」とウソをつきます。称徳天皇はこの真偽を確かめるべく、和気清麻呂公を勅使として宇佐八幡へ向かわせます。
そして清麻呂公は宇佐の大神に「天皇の後継者には必ず皇族のものを立てなさい。道鏡のような無道の者は早く追放してしまいなさい」とお告げを下されます。
道鏡ぶち切れ!清麻呂公にまさかの八つ当たり
宇佐八幡でのお告げを天皇に報告した清麻呂公。当然、道鏡の野望は断たれます。怒った道鏡はなんと清麻呂公の足の腱を切り、大隈国(鹿児島県)への流罪に、そして追い打ちをかけるように刺客をも放ちます。
立つことができない清麻呂公を連れた一行は、宇佐の大神に皇室を守ったことの感謝を伝えるため、宇佐八幡に立ち寄ります。その道中、どこからともなく300頭のイノシシが現れ、清麻呂公の一行を取り囲みました。イノシシたちは道鏡の刺客から清麻呂公一行を守り、なんと宇佐八幡までの約40㎞の道のりを案内したのです。無事に参拝を終えると、イノシシたちは去り、清麻呂公の足が治り、再び歩けるようになっていました。
そして清麻呂公とイノシシの話は後世に語り継がれ、護王神社には狛イノシシが建てられ、清麻呂公を護っています。
境内にはイノシシがいっぱい!
いのしし神社と呼ばれるだけあって、境内にはイノシシをかたどったものがたくさんあります。 まずは表門の「阿」と「吽」の口をした狛イノシシがお出迎え。
鳥居横にもひっそりとイノシシ発見!
表門から入って正面の拝殿には、年末年始限定の巨大絵馬!
亥のイラストは亥年生まれの日本画家、曲子明良(まげしあきら)さんによるもの。拝殿の両側にも狛イノシシがいて、こちらは明治23年に建てられたものです。そして、この拝殿を支える支柱をよく見るとイノシシのあしらいが!隠れイノシシ発見です。
境内右手にある「霊猪手水舎」にはイノシシのブロンズ像。口から水が出ています。「幸運の霊猪」ともいわれ、鼻をなでると幸せが訪れるとか!
祈願殿の横にあるのは「飛翔親子猪」。これはこの地に生えていた樹齢約300年の桂の木を、チェーンソーアートの世界チャンピオンである城所ケイジさんによって彫刻されたものです。また、両側にも同じく城所さんが北山杉で彫刻した「昇り神猪と降り神猪」も展示されています。
また、ほかにも大小さまざまなイノシシの作品があり、後ろには一面にイノシシの絵馬が飾られています。まさにイノシシ尽くし。
本殿に向かって左手、「願かけ猪」と「座立亥串(くらたていぐし)」が、招魂樹(おがたまのき)の根元にあります。「座立亥串」に自分の名前と願い事を書き、願かけ猪のそばに刺し立てるという、護王神社ならではの信仰なのだそう。亥串は2本1組になっているので、もう1本は家の神棚や玄関にお祀りしましょう。
足腰の健康を祈願!
護王神社には、和気清麻呂公の足のケガが治った逸話から、足腰の病気やけがの回復のご利益があります。本殿右側には「足萎難儀回復の碑」があり、参拝者は足の形にくぼんだ石の上に乗ってご利益を祈願します。 また、毎月21日には足腰祭が行われます。しっかりとご利益を授かりたい方はぜひ!
最後にご利益をおもちかえり♪
そして、境内をお参りした後はさらなるご利益を願って授与品もチェック!足腰の根付け袋お守り(1200円)やイノシシおみくじ(500円)、絵馬(500円)など足腰やイノシシに関連する授与品がたくさんあります。 ちなみに護王神社には足腰回復のご利益のほか、厄除・災難除け、亥年生まれの御守護、子育て・子どもの成長の御守護、ぜんそく封じのご利益もあります。 先日発表された「今年の漢字」は「災」でした。2019年に向けて、災難除けを願ってみては?
■■INFORMATION■■
護王神社
京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385
075-441-5458
(参拝時間)6:00~21:00
(ご祈祷・授与品受付時間)9:00~17:00