サンガスタジアム by KYOCERA/選手たちとの距離も近く迫力の試合が楽しめる!
京都府亀岡市に、京都府初の球技専用スタジアムとして完成したサンガスタジアム by KYOCERA。
去る2月9日、こけら落としとして「京都サンガF.C. 対 セレッソ大阪」2020Jリーグプレシーズンマッチが開催されました。多くのサッカーファンが押し寄せ、歓喜に沸いたその様子を徹底レポートします!
チケット完売!
いや〜ついに!ついに!この日がやって参りました!! 記念すべき新スタジアムでのファーストマッチ。どれほど多くの方が、この日を待ちわびたことでしょう。
KYOTO SIDEでは、完成前の工事見学会の様子を以前レポートしましたが、その時はまだ足場が組まれた、こんな状態だったんですよね〜(写真上)。どんな姿になっているのか楽しみで仕方ありません!
この日開催される2020 Jリーグプレシーズンマッチ・京都サンガF.C. 対 セレッソ大阪のチケットは完売!
約2万1600人収容のスタジアムで開催される試合チケットが完売ということは、亀岡にそれほど多くの人が集結するということ。もちろんそれは折り込み済みで建設されたわけですが「嵯峨野線(山陰線)大丈夫??? 」と心配した方も多かったのではないでしょうか。
JR嵯峨野線も車両増発&増結でバックアップ
朝から雪が舞うこの日、「亀岡ゼッタイ寒いや〜ん!」と思いながら、JR京都駅嵯峨野線ホームに着いてビックリ。車両が多いではあ〜りませんか〜!しかも8両も!! 普段の倍!? 試合開催時の増発は知っていましたが、車両も増えると知りひと安心して乗車。取材のため9時半頃の到着を予定していた私は余裕で座れました♪
さすがに試合開始前のピーク時は乗車率も高いでしょうが、往路は可能な範囲で時間をずらして行くのがいいでしょう(ちなみに、この日は京都駅からの通常路線バスのほか、阪急桂駅からは臨時・直行バスも出ていました)。
ちなみに、早めの時間帯に亀岡入りして、周辺散策してみるのもオススメです!
亀岡は、今年大河ドラマ化されている戦国武将・明智光秀ゆかりの地。スタジアムには「麒麟がくる 京都大河ドラマ館」が併設されていますし、駅の近くには光秀が築いた丹波亀山城のお城跡を整備してできた南郷公園もあり、ここが桜の名所なんです。シダレザクラやソメイヨシノが美しく咲き誇る桜の時期にはライトアップも行われるので、今から春が待ち遠しいですね。
車窓から見た新スタジアムに車内も大コーフン!
新スタジアムでのプレシーズンマッチに、ワクワクが抑えきれない様子の乗客たち。二条駅に停車した際、「わ〜凄い!木やね〜」とホーム天井の話をしているのが聞こえてきたので、亀岡だけでなく嵯峨野線も「今日が初めて!」という方も多いんでしょうね〜。
京都駅から列車に揺られること約25分。亀岡駅到着のアナウンスが流れる頃、進行方向右手にスタジアムが姿を現します。「あ!見えた!見えた〜!」「めちゃめちゃ近いやん!」とあちこちで声が上がり、大撮影大会。
京都サンガF.C.マスコット・パーサくん&コトノちゃんがお出迎え
試合以外にもイベント盛りだくさんとはいえ、キックオフまでまだ4時間半もあるというのに、大勢の両チームサポーターが亀岡駅に降り立ちます。
改札には、京都サンガF.C.のマスコットキャラクター、パーサくん&コトノちゃんのデコレーションがいたるところに。
取材とはいえ、張り切ってパープルのストール着用の私。床のエンブレムを「踏んだらアカン!踏んだらアカンやん!」と盛り上がる熱烈サポーターたちに混じり、撮影する姿はどこから見てもサンガサポ。すっかり馴染んでいたことでしょう。
JR亀岡駅から徒歩3分の好立地に驚愕する来場者
「近い!」「近すぎる!」と、その駅近ぶりに驚きを隠せない来場者たち。サンガサポーターのみならず、セレッソサポーターも早々に到着し、続々スタジアムへ向かいます。
開始時間繰り上げ!?「京都食べ尽くしフェス」でご当地食も堪能
人波に身を任せて進んでいくと、なんだかいい匂いが。こけら落としを盛り上げる「京都食べ尽くしフェス」。「せっかくなら京都ならではの美味しいものを!」と京都のご当地フード屋台が並びます。
予想を上回る来場者の入りの早さに、どうやらオープン時間が繰り上げられたようですね。10時オープンのはずが、私が到着した9時半頃にはすでに食べている人たちがたくさんいました。朝ごはんが早かったのか、腹が減っては戦はできぬということなのか、気持ちはやる来場者たちに合わせた臨機応変な対応、ナイスです。
京都牛、亀岡牛、間人蟹…京都グルメ&地酒三昧
京都牛の串焼きや、焼肉丼、亀岡牛のホルモン焼きそば、間人蟹の味噌ラーメンなど、京都のご当地フードの数々が来場者をおもてなし。
この日は雪が舞う極寒ということもあり、朝から地酒の熱燗を買っていく姿も。寒空の中、サッカー観ながら熱燗。酒好きサポーターには堪りません!
「サンガスタジアム by KYOCERA」スタジアムネームに胸アツ
「食べ尽くしフェア」会場すぐ隣、スタジアム入り口到着!昨年10月の工事見学会の時にはまだ無かった「サンガスタジアム by KYOCERA」の文字を見上げ、しばし感動に浸る私。「よくぞここまで漕ぎ着けた…やっとこの日を迎えることができた」と、サンガ関係者か建設関係者かのような心境。熱いものがこみ上げ、やや涙目。完成間近の工事見学会を一度取材させてもらっただけなのに(笑)。でも、そんな気持ちにさせる、色んな人たちの想いの詰まったスタジアムなんです!
スタジアム建築担当者の声
建築家曰く「多角形の面が色々な形で光ることで亀岡の山並みに馴染むように意識して屋根部分をデザイン。軒裏に見える木ルーバーは、京都の寺社仏閣の軒裏をイメージ。京都府内産の杉の無垢材を全面に使用し、格子状の印象的な外観にしようと考えた」という通り、京都らしさ溢れる素敵な外観。雪化粧された、この日の亀岡の山並みにもマッチしていて風情満点。
美しいピッチとスタンドに再び感動
メディア受付を済ませ、観客の皆さんより一足お先にスタジアム内へ。約100人という、サンガ広報担当者も驚くメディアの数に、新スタジアムの注目度と、チームに寄せる期待の高さがうかがえます。
メディア説明会の後は、まずピッチへ。グラウンドレベルでこのスタジアムを眺めるのは二度目ですが、ファーストマッチの高揚感が相まって、以前以上に、ピッチとスタンドの美しさに感動しました。パープルとイエローのスタンド、そして緑の芝。サイコーの舞台です。
はい、でも、この通り吹雪いてます(泣)。
スタジアム外周には開場待ちの行列
開場を今か今かと待つ行列がどんどん伸びるスタジアム外周。
サンガのマスコットキャラクター・コトノちゃんと写真を撮るファンの姿も。
吹雪いてきたので、11時30分予定の開場時間が少し早められました。
一般開場が始まると、できるだけピッチに近い場所を!と前の席から埋まっていきます。あ〜黄色の「KYOTO」の文字がだんだんと見えなくなっていく〜♪
ゴール裏最前列を陣取る大旗持参の熱烈サポーターたち。スタジアムの雰囲気とピッチとの距離感に「ヨーロッパのクラブリーグみたい!」などという声も多く聞かれました。
ピッチまで最短7.5m!驚愕の近さにセレッソサポーターも賞賛
「こっちが勝つぞ〜!」「勝つのはこっちや〜!」と試合前からピッチを挟み大声でやり合う両サポーター。すると、セレッソサポーターからこんな声が。「新しいスタジアム、ピッチに近くて、ええスタジアムやないか〜い!」。これから戦う対戦相手であれ、良いところは良いと素直に褒める。スポーツマンシップ感じる、ええ光景でした。
スタジアム内外をちょこっと散策♪
イベント開始までまだ少し時間があったので、スタジアムの中や外を散策してみました。一般のお客さんも、スタンプチェックとチケット提示で再入場可能ということで、席を取ってから出ている方も多かったんでしょうね。ちょうどお昼時ということもあり、この時間帯は「京都食べ尽くしフェス」も大賑わい。
1Fには常設のフードコートもアリ!
1F外周には、試合が開催されていない時でも利用できる常設のフードコートもあります。パンやスイーツ系から、うどん、牛丼などの軽食もスタンバイ。もちろん空調完備なので、この日のような寒い日などにもオススメです。
2Fオープンコンコースのスタジアムグルメも!
さらに試合開催時は、スタジアム内2Fのオープンコンコースでもスタジアムグルメが販売されています。ハーフタイムなどでもいちいち外に買いに出る必要がないのは嬉しいですね!
©KYOTO.P.S.
コンコース部分には、入口から出口が一方通行のワンウェイ方式採用のトイレも設置。混雑が緩和されるよう工夫されています。ただし、暖房便座ではないので、この日のように寒い日は心の準備をしてから座りましょう(笑)。
京都サンガF.C.育成部コーチ・美尾敦さん&セレッソ大阪アンバサダー・藤本康太さんが解説
放送ブースもチラ見。解説席は窓ガラスが入っていないので、会場の音もしっかり聞こえます。防寒のため席には毛布も用意されていました。
この日の試合は、京都サンガF.C.育成部コーチ・美尾敦さん、セレッソ大阪アンバサダー・藤本康太さんが解説。両チームのオフィシャルYouTubeでライブ放送されました。
↓↓↓こちらでご覧いただけます↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=uAqe8JtqB7w
ちなみに、メインスタンド側4階に設けられた記者席はこんな感じです(写真上下)。ほかのスタンド席同様、寒さは否めません。防寒必須。でも、吹雪いていても屋根がカバーしてくれているので、濡れません。
足の長いアスリート?チーム関係者仕様なのか、出入りしやすいように、椅子が前後にスライドするようになっていて、なんとなく便利です。トレーニングマシンぽくて、子どもなら確実に遊ぶやつです(笑)。
チームバス到着!サンガサポーター大合唱!
外に出てみると、タイムリーなことにサンガのチームバスが到着。階上のスタジアム外周コンコースから会場入りする選手を間近に見られるというのも、サポーターやファンにとっては嬉しいポイント。サポーターたちが大声でチャントを歌い、大旗を振って選手を出迎えます。
京都発バンド「夜の本気ダンス」のライブパフォーマンス
キックオフまであと1時間半。スタジアム内イベント第一弾として、「夜ダン」のミニライブが開催されました。「夜の本気ダンス」略して「夜ダン」。キャッチコピーは、「“夜”も昼も聴く者全てを“本気”で“ダンス”させる」。
京都発4人組ロックバンド「夜の本気ダンス」
降っていた雪がやみ、青空も見えるなかメンバー登場! 京都発の4人組ロックバンドで、ボーカル兼ギターの米田貴紀さんと、ドラムの鈴鹿秋斗さんは宇治出身。
NHKアニメ『境界のRINNE』テーマ曲「SHINY」
「どうもこんにちは、僕たち京都のバンド、夜の本気ダンスです!」とボーカル・米田さんのお決まりの挨拶でスタート!オープニング曲は、NHKアニメ『境界のRINNE』テーマ曲にもなった「SHINY」。疾走感が青空覗く野外スタジアムにピッタリ♪
フジテレビ系ドラマ『セシルのもくろみ』主題歌も披露
続いて、フジテレビ系ドラマ『セシルのもくろみ』主題歌「TAKE MY HAND」。真木よう子さん主演でファッション雑誌業界が舞台のドラマでしたね。「あ!この曲知ってる!」という方も多かったのでは? キャッチーなメロディとビートに自然とカラダが動きます。長身スレンダーなボーカル・米田さんの妖艶なダンスが会場を魅了。
京都サンガのチャントをアレンジ
「この後の2曲は京都に馴染みのある楽曲です」とボーカルの米田さんが紹介し、イントロ部分をサンガのCMソングに変えた「Movin’」と、サンガのチャントを融合した「Fun Fun Fun」特別バージョンを披露。この日のためのスペシャルパフォーマンスと、「行くぞ!J1!」の掛け声に、会場も大盛り上がり。「ありがとうございました!京都のバンド夜の本気ダンスでした!」と決め台詞で締めくくり退場。京都愛とこの日を祝うハート溢れるステージに、観客も大きな拍手で応えました。
ピッチに虹が出現!スプリンクラーで芝生のお手入れ
「夜ダン」のライブに会場が沸いた後は、スプリンクラーの一斉散水で芝生のお手入れタイム。緑の芝が一段と鮮やかさを増します。晴れ間がさしたピッチには虹も出現。歓声があがり、こけら落としにふさわしい雰囲気を演出しています。
スタジアムに採用された芝はセレブレーション。日陰に強く、踏まれても回復の早い丈夫さが特徴の新品種。「アスリートの足元を支えたい!」と、生産&管理者の皆さんが日本開催のビッグスポーツイベントでの採用を目指し育てた芝。この日が迎えられて感慨ひとしおでしょう。涙腺の弱い私は、この光景を見てまたウルウル…。散水終了後には会場から拍手も起こりました。
選手がピッチに登場!ウォーミングアップ開始
キックオフ45分前。いよいよ選手がピッチに登場。観客から大きな拍手と歓声が起こります。ゴールキーパー、そしてフィールドプレーヤーの順にピッチに入り、律儀にサポーターに挨拶をしてからウォーミングアップを始める選手たち。
新スタジアムの選手との距離感、その近さを改めて実感し、大興奮のサポーター。くどいようですが、なにせ、一番近いところ(バックスタンド)で、最前列からピッチのタッチラインまで7.5mですから。さらに、最前列とピッチとの高低差は1.2m!これは近すぎでしょ。
まゆまろも祝福!ネーミングライツ除幕式
30分ほどのアップを済ませ、選手は一旦退場。京都府広報監まゆまろも参加してのネーミングライツ除幕式が開かれました。
「ピッチとスタンドが近く、屋根にも覆われ雨の心配もない、日本一のスタジアム。サンガのホームスタジアムとしてJ1昇格を実現していただきたい。3月1日の開幕戦も多くの人に来てもらい、ONE TEAMとなって盛り上げましょう」と京都府・西脇隆俊知事が挨拶。
ネーミングライツに込められた想いとは
続く京セラ・山口悟郎会長は、知事はじめ関係者の努力に敬意と感謝を表し、ネーミングライツに込めた想いを語りました。
「地元京都の活性化のためメインスポンサーとして関わらせていただいています。その経緯からネーミングライツパートナーになりました。サンガと、チーム名を冠したスタジアムは唯一。満員のスタンドを見て、サンガへの期待、スタジアムへの期待を実感し、ネーミングライツパートナーとして非常に嬉しい」
3,2,1どうぞ!の掛け声とともにファンファーレが流れ、幕が外されます。会場からは「おーーーー!!!」の大歓声。大勢のメディア、そして観客が注目するなか、除幕式終了。
大歓声のなか、京都サンガ&セレッソ大阪選手入場!
さぁ!新たな歴史を刻む、新スタジアムでのファーストマッチ。両チーム選手の入場です!地元のサッカー少年と手をつなぎ、新キャプテンのDF安藤淳選手を先頭に、選手がピッチに登場します。
待ちに待ったこの瞬間、この光景、そしてこの歓声に、涙した方も多いのではないでしょうか。まさに歴史的瞬間です!
亀岡の山並み望む大ビジョンでメンバー発表
選手がピッチに整列し一礼。いよいよ!いよいよです!うっすらと雪が積もる亀岡の山をバックにした大ビジョンに映し出される、この日のスターティングメンバーとリザーブメンバー。サポーターが一人一人に合いの手を入れ、会場は一気にヒートアップ。
今季から指揮をとるサンガ・實好礼忠(さねよしのりただ)監督は、DF飯田貴教選手、DFヨルディ・バイス選手、DF森脇良太選手、MF中川風希選手、FWピーター・ウタカ選手と5人の新戦力を先発起用。アカデミー出身で、長年のサンガサポーターからの支持も高いFW宮吉拓実選手もスタメン。一方セレッソは、昨シーズンの主力メンバーがベースの布陣。
京都府・西脇隆俊知事によるキックイン!
新スタジアム初となる始球式は、学生時代は野球部だったという京都府・西脇知事によるキックイン。選手がピッチに散ります。
京都サンガ新加入、ピーター・ウタカ選手のキックで試合開始
さぁ、ファーストマッチのキックオフ! スタジアムに響くホイッスルの音に、またまた感動…。雪が舞うなか、京都サンガ今季新加入のFWピーター・ウタカ選手のボールで試合が始まりました!格上J1のセレッソ相手に、昇格を狙うJ2サンガがどう戦うか?注目の京阪ダービー開幕です!
序盤、サンガがボールを握ります。開始2分、サンガのセットプレーで先制のチャンス。今季副キャプテンに任命されたMF庄司選手のニアをFW宮吉選手がヘッドで合わせますが、ボールが逸れ、残念ながら先制ゴールとはならず。
コンパクトかつ、一部屋根が取り付けられたスタジアムの構造がそうさせるのでしょう、サポーターの声がいい具合に反響して、競り合いの場面や、チャンスシーン、ダイナミックなプレーが出ると、会場がドッと沸きます。
この迫力、一体感はなかなかほかのスタジアムでは体感できないような気がします。さらに、ピッチとの距離が近いため、シュートボールがスタンドに飛んでくる場面もしばしば。臨場感満点です。
両チームともシュートチャンスを狙うものの、キーパー正面や枠外とゴールネットを揺らすことができません。どちらが先制ゴールを決めるか、必死にサポーターも応援。
記念すべきゴール第1号はC大阪MF坂元選手
試合が動いたのは、前半12分。セレッソ大阪新加入のMF坂元達裕選手が、右サイドから左足で蹴ったクロスがそのままゴール。レフティが右サイドに居るからこそ生まれたゴールと言えるでしょう。新ホームスタジアム第1号となる記念すべきゴールは、サンガではなく、アウェイのセレッソという、すぐさま受け入れられない現実。でも、こればっかりは仕方ありません。試合はまだまだこれから!はい!切り替え!切り替え!
前半26分、FWウタカ→MF庄司のシュートで1-1
すると前半26分、J2屈指のストライカー、FWウタカ選手の見事な突破から生まれたこぼれ球に、上手く合わせたMF庄司選手の豪快なダイレクトシュートで同点に追いつくサンガ(写真上は別の場面の庄司選手)。
新加入メンバーと昨シーズンの主力メンバーによるゴールに、サポーターも大喜び。「サンガスタジアムの歴史がここから始まります!」と場内アナウンスも流れ、大歓声が巻き起こります。
その後試合は同点のまま前半終了。
ハーフタイムは再び散水パフォーマンス
ハーフタイムには、再びスプリンクラーでの散水が行われ、まるで美しいエンターテインメントのよう。冬場は美しさ、夏にはクールダウン効果も兼ねた演出となることでしょう。
選手直筆サイン入りTシャツが当たる抽選会&「夜ダン」ミニトークショーも開催
©KYOTO.P.S.
さらにこの日のハーフタイムでは、こけら落としイベントとして、選手の直筆サイン入りTシャツなどが当たる、JR西日本×京都サンガコラボイベント抽選会や、「夜ダン」のミニトークショーも開催されました。
両チーム、後半から李、柿谷の元日本代表FWを投入
いよいよ運命の後半戦突入。両チーム交代選手が発表されます。サンガは、FW宮吉選手に代わって新加入の背番号20・FW李忠成選手を、セレッソはMF清武弘嗣選手に代えてFW柿谷曜一朗選手を投入。両チームとも、元日本代表FWを投入し、追加点を狙います。
序盤、セレッソFWブルーノ・メンデス選手がディフェンスの裏に抜け出し、FW柿谷選手からのパスを受け、あわやゴールか!?というシーンがありましたが、シュートはサイドネットに。「お〜」とサンガファンからは安堵の声。
しかし、後半19分、セレッソFW奥埜博亮選手の冷静なシュートで2-1と勝ち越されます(写真は別の場面の奥埜選手)。
入場者数1万7938人!!!!
入場者数1万7938人というアナウンスに沸く会場。「追いつけ、追い越せ」とサンガサポーター、そして会場の熱気が高まります。
なんとか追いつきたいサンガ。交替のカードを切り、好機を狙います。後半30分経過。その後も度々シュートを打つものの、決まらず。2-1とリードを許したままアディショナルタイム突入。
アディショナルタイムにゴールの応酬
ここで再びゲームが動きます。アディショナルタイム2分、GKの弾いたボールを怪我から復帰したばかりのセレッソFW都倉賢選手がボレーシュート。ここに来て3-1と突き放されます。「あ〜〜」と頭を抱え、うなだれるサンガサポーター。
「1点返そうぜ!」のサンガスピリッツ
しかし、まだサンガイレブンは諦めていません! サンガの普及育成部で指導者として長年活動された(現在は退任)池上正さんの著書にもある通り、「(どんなに離されたとしても)1点返そうぜ!」の精神で最後の笛が鳴るまで全力で戦います。
ウタカ選手の意地のゴール!
アディショナルタイム5分、FWウタカ選手の個人技光る見事なゴール!試合終了間際にサンガサポーターの目の前で。「新しいホームスタジアムでのファーストマッチ。しかも、こんなにたくさんの観客の前で、このままでは終われない!」そんな意地を見ました。
サンガスタジアムby KYOCERA初ゲーム勝者はC大阪
新ホームスタジアムでの初陣は、3−2でセレッソに軍配。敗れはしましたが、大いに盛り上がったナイスゲームでした!
セレッソサポーターの横断幕に感涙
©KYOTO.P.S.
試合後、サンガの選手がアウェイゴール裏へ挨拶に行った時に掲げられた横断幕には、こう書かれていました。
「祝 素晴らしいスタジアムと共に次はJ1で会いましょう!♥」
泣けるじゃないですか〜!セレッソサポーター、ええ人や。その後、両サポーターがエールの交換。いや〜!やっぱりスポーツはイイですね!
C大阪・ロティーナ監督も新スタジアムを絶賛
「すごく美しい。サッカーをするためのスタジアム。観客席がピッチに近く、2万人という収容人数もちょうどいい。サッカーに適した環境。チームとスタジアムの幸運を祈る」と試合後の会見で、ロティーナ監督もスタジアムを絶賛していました。
京都サンガF.C.・實好監督&選手に聞きました!
實好監督は「試合内容は端折って(笑)、新スタジアム、そしてたくさんの観客、セレッソとの対戦に興奮した。メディアの数も多くすごく良かった」とコメント。一方で、「(観客が多く)選手に声が届かない。なかなかチュンソン(李選手)のポジションが直らなかった」と指示の送り方に工夫が必要と語りました。また「(会見などの自身のコメントに)笑いも入れたい。しっかりしろと家族にも言われている。今後の課題」とメディアの笑いを誘いました。さすが、立命館大学、ガンバ大阪、京都サンガF.C.と関西在住歴が長いだけありますね♪
背番号16 DF安藤選手
今シーズンからキャプテンに復帰したDF安藤選手は「これまでいろんなチームのサッカー専用スタジアムでプレーしたが、最初にピッチに入った時の応援にはすごく興奮した。こんな雰囲気でホームゲームを戦えれば、間違いなく力になる」とコメント。
背番号20 FW李選手
後半からの出場となった元日本代表FW李選手は「素晴らしいスタジアム。この魅力を京都、近隣の方々にも伝えたい」と語りました。
背番号9 FWウタカ選手
攻撃の核となり意地のゴールを見せたFWウタカ選手。「素晴らしい環境。まるでプレミアリーグみたい。声が舞っている感じで、コミュニケーションを取るのが難しかった。サインやアイコンタクトが重要になってくる。今日は残念ながら勝てなかったが、これからもスタジアムに足を運んで欲しい。こんなにも寒い中スタジアムに来てくれたことに感謝している」。
背番号13 FW宮吉選手
自身のこの日の出来については「no good」と辛口評価のFW宮吉選手。以前とあるブログで「武士のようなお礼状を書かれる方」と称されていたのを読んだことがあるんですが、このコメントに「やっぱり武士のように自分に厳しい方なんだな〜」と妙に納得しました。インタビューに応える様子も寡黙で無骨な感じかと思いきや、爽やか好青年、そして紛れもないイケメン。「これまでアウェイのいろんなスタジアムでもプレーしてきたが、この素晴らしいスタジアムでホームとして戦えることは本当に幸せ」と、Jrユース時代からサンガで活躍する宮吉選手ならではな京都愛感じるコメントが聞けました。「少しでも多くの得点に絡んでいきたい」武士に二言はないはず。有言実行、期待しましょう!
セレッソサポーターが証言。サンガスタジアムby KYOCERAのココがイイ!
試合後、全国津々浦々観戦に行っているという筋金入りのセレッソサポーターにも、スタジアムの感想を聞いてみました。
「座席の傾斜が緩やかで、ピッチの目線が低く、ゴール裏なら充分選手の気分が味わえました。相手ゴールも近く見えて、全体に試合が観やすかったです。跳んでも揺れなかったし、座席にドリンクホルダーと物かけフックもついてて便利。サポの声も天井に響く感じの設計なのか、向こうの声がよく届いていたので盛り上がるスタジアムだと思います。
(セレッソの本拠地として使用される)キンチョウスタジアムは「圧力鍋」とレヴィ•クルピ元監督が表現していました。サポーターの熱気が充満して声が圧力になって選手を後押しすると。サンガスタジアムもそんな雰囲気になると最高です!これからサポーターが作り上げて行く良いスタジアムではないでしょうか。亀岡駅の駅員さんもユニを着て盛り上げようとしているのが伝わってきて、とても好感がもてました」と、筋金入りサポーターならではのコメントが聞けました。
確かに、サンガサポーターも一斉に跳んでました。サッカーの試合でよく見るあれです。野球でもありますね。あれです。これは跳んだ人にしかわからないポイントですよね。さすがです。
このほか、会場をあとにする方にインタビューしたところ「このスタジアムでぜひサッカーをしてみたい」というお子さんや、「サッカー以外でもできるイベントなど、地元を盛り上げていけるきっかけになれば」などというサンガサポーターの声も聞くことができました。未来を照らす、より良いスタジアムにしていけるとイイですね!
京都サンガF.C.&サンガスタジアム by KYOCERAの未来に幸あれ!
試合後の会見で、C大阪・ロティーナ監督がコメントした通り「J2は難しい」。自身もセレッソ監督就任前、東京ヴェルディ(J2)監督としてJ1昇格の使命を果たせなかった苦い経験があるからこその言葉でしょう。
活躍した選手は上のチームに引き抜かれる、戦力アップ以前に戦力維持が難しいのがJ2。
しかーし! 今季のサンガは違います!!
この日観た通り、2016J1得点王でもあるFWウタカ選手の個の力には大いに期待したいところ。新加入メンバー、昨季の主力メンバーが融合し、良い化学反応が起こるのではないでしょうか。
さらに、この臨場感溢れる素晴らしいホームスタジアム。サポーターの声が後押ししてくれること間違いなし!
サポーターのため、地元の人のため、スタジアム建設、開業に携わった人のため、そしてチームのため、自分のために、今季こそ悲願のJ1昇格!必ずや期待に応えてくれることでしょう。
サンガスタジアムby KYOCERA でのホーム開幕戦は3月1日。そのほか、3月27日には東京五輪世代のU-23日本代表の国際親善試合、7月16日には「なでしこジャパン」の壮行試合も開催予定。
京都サンガF.C.の新たな歴史が、新スタジアムとともにスタートしました。J1昇格を懸けた新時代の幕開け。スタジアムへ足を運び、歴史的瞬間をしかと見届けましょう!
■■information■■
サンガスタジアム by KYOCERA
亀岡市追分町
TEL:0771-25-3331
https://sangastadium-by-kyocera.jp/
■■周辺おでかけ情報■■
サンガスタジアム by KYOCERAへ行かれる際はぜひ、“森の京都”亀岡市のおでかけスポットまで足を延ばしてみてください!
中野里美
いや〜寒かった(笑)。でも、みんなの熱気感じるとっても熱い一日でした。この場をお借りして「素晴らしい時間、空間、そして感動をありがとう!」と言いたいです。個人的には、岡田武史さんが作られた今治の「ありがとうサービス夢.スタジアム」のアットホーム感&ピッチとの距離感と、サンガスタジアムと同じ竹中工務店施工のパナスタの良いとこ取りをした、まさに「ちょうど良い」サッカーに適したスタジアムではないかと思います。ラグビー日本代表が「自分たちを信じて」悲願のベスト8を実現したように、「絶対できる!」とマインドセットを変え、自分と仲間を信じて、今季こそJ1昇格!私も信じて応援します!!