京都の誇るべきグローバル企業【グンゼ】は下着から人工血管まで@綾部市
関西の創業者オシドリ夫婦「マッサン」、「まんぷく」に続き、朝ドラでいずれモデルになるかも!?と京都府民から期待が寄せられているグンゼ株式会社。世界にその名を馳せる有名企業グンゼの発祥は京都府綾部市で、今もなおこの地に本店を置いています。
今年2019年6月、グンゼの企業ミュージアム「グンゼ博物苑」の未来蔵がリニューアルOPENしたとの情報をキャッチ、早速訪ねました。まさに“京都らしい”企業!で誇らしい気分に。あんなことも、こんなこともグンゼだったの?と驚きの連続です。
まさに京都!伝統を守り革新を続けるグローバル企業
綾部の町おこしから始まった郡是(ぐんぜ)
日本の近代化産業の一つが生糸。明治から約70年間、生糸の輸出は第1位、生糸は明治政府の方針であった富国強兵の立役者だったそうです。
かつての綾部は養蚕・生糸業が盛んで「蚕都(さんと)」とも呼ばれていました。「蚕糸業の振興によって綾部の発展に貢献する会社になろう」、綾部出身の創業者・波多野鶴吉氏の熱い想いが礎となり、生糸を製造する会社を設立しました。
鶴吉の、蚕糸業にかかわるすべての人が豊かに暮らせるようにという思いから、グンゼは養蚕にかかわる農家をとても大切にしました。また社員教育にも力を入れ会社の真ん中に学校を設立、終業後や休日に授業が行なわれていたんだとか。
グローバル企業となった現在でも「人間尊重」「優良品の生産」「共存共栄」という創業の精神は、経営理念として大切に受け継がれています。
グンゼのあゆみ、波瀾万丈な鶴吉の人生については過去の記事をご覧ください。
創業者もきっとびっくり!?1本の糸から始まり、今や「人工血管」などメディカル分野の研究開発に取り組むGUNZE
創業からおよそ120 年、1 本の生糸から始まった製糸会社だったグンゼは、衣料から機能性素材へ、そして医療分野までフィールドを広げてビジネスを展開しています。
時代のニーズを先読みし、世の中が求める商品やサービスを考えて商品化することで、世界中の人々の今と未来を支えているんですよね。
創業者もびっくりなのでは!?
グンゼらしいエピソード。糸から綿へ、きっかけは国有綿
第二次世界大戦後のメリヤス業界は、「日本莫大小株式会社」が一括受注代表機関として指定され、全国の適格工場がその下請けをするしくみでした。そのような中(1946年)、京都北部にある宮津工場では「国有綿の処理指定工場」として肌着の生産に着手。これをきっかけに1947年、メリヤス事業が創業しました。
当時の肌着は洗ったらすぐ縮む品質のものが一般的で、良質なものはありませんでした。そこで、グンゼは洗ってからの品質にこだわり追求することで、洗っても縮みにくい商品を大量生産することに成功し、繊維加工のメーカーとしても信頼を得ることになりました。
「徹底的に品質を追求し、世の中に求められる商品を提供する」の原点がここだったのかもしれませんね。
実は知らず知らずのうちにいっぱいグンゼにお世話になっていた!
早速、身近にあふれている「あれもグンゼ?」の中から、編集部がとくにびっくりした3つをピックアップしました~。
その1 野菜のフレッシュさを保ってくれる「カット野菜の袋」
グンゼではフードロスを減らすための取り組みもしています。
最近、コンビニやスーパーでよく見かけるカット野菜の袋。こちらは傷みやすいカット野菜を長時間にわたり、新鮮さを保ってくれる優れもの。消費期限の延長を実現しました!!
また、冷凍食品は運輸時の衝撃で包装用のフィルムに小さな穴が空いてしまうと、腐敗してしまう可能性も・・・。そこで冷凍した状態で輸送する際、商品同士の衝突にも耐えられるフィルムを開発しました。
そのほか、ペットボトルのラベルや洗剤、チルド食品、お菓子などの包装用のプラスチックフィルムもグンゼの製品!いつもお世話になります!!
ストッキングのパッケージがプラスチックフィルムのはじまり
1960年代、ストッキングを販売する際に、商品を入れるパッケージを自社で作ろうとしたのがはじまり。今や、グンゼのプラスチックフィルムは国内TOPクラスのシェアを占めるまでに成長しています。
その2 パソコンやタブレットなどの操作を「タッチパネル」で簡単に!
今やタッチパネルはスマホで当たり前となっていますが、グンゼが開発をはじめたのはなんと約30年前のこと。1992年、業務用コンピュータWindowsパソコンが台頭したことがきっかけで、翌年に世界初の軽く割れにくいペン入力用プラスチックタッチパネルを商品化します。電子部品事業も時代の変化に対応した製品を次々と開発してゆくことになります。
その3 ケガや手術の際、抜糸しなくてもよい「吸収性縫合糸」や「人工皮膚」
メディカル分野では、グンゼが長年に渡って研鑽してきた技術を応用し、医療機器の製造販売を行っています。なかでも医療業界にとくに大きく貢献した製品は、吸収性縫合糸。
それまでは輸入製品に頼っていましたが、1988年グンゼが国内で初めて開発に成功。抜糸しなくてもよいので、体の負担が少しでも減るのが嬉しいですね。
縫合糸から縫合補強材、骨接合材、人工皮膚など、「生体内吸収性」に着目した医療機器のバリエーションが豊富で、海外からの需要も多いそうです。現在は人工血管の研究も進められています。
挑戦し続けるグンゼを体験!できるグンゼ博物苑「未来蔵」
グンゼ博物苑は5つの蔵からなり、グンゼの歴史を紹介する「創業蔵」、事業を紹介する「現代蔵」、未来へ向けての取り組みを紹介する「未来蔵」(赤矢印)、イベントなどを開催する「集蔵」、受付や観光情報が得られる「今昔蔵」に分かれています。
ここからはグンゼ博物苑の苑長・吉川さんに2019年6月OPENしたばかりの「未来蔵」を案内していただきました。
「明日をもっと、ここちよく」をテーマに事業展開するグンゼの最先端メディカル技術を体感することができます!ほんの一部ですが、ご紹介します。
人工皮膚を移植手術!プロジェクションマッピング
1996年以前までは、深い傷で失われた真皮層を再生させるのは困難でしたが、2~3週間で細胞や毛細血管が再生する人工皮膚を開発。
白い台に腕を置くと、重症火傷を負った腕に人工皮膚を移植し縫合するまでの手術過程が、プロジェクションマッピングで投影されます。実際に、医療器具がどのように使われているのかを、リアルに学ぶことができます。
呼吸のリズムをシンクロさせよう!座ると幸せになるソファー
ソファーの背もたれにピタッと背中を付けると、繊維に織り込まれたセンサが反応して二人のリアルタイムの呼吸状況を見ることができます。
自分の呼吸を見るのも初めてで新鮮!深呼吸をして二人の呼吸リズムのシンクロ度合いを調べてみましょう。
この日、初体験&緊張しちゃって、グラフを見ると残念ながらバラバラ・・・(笑) 意外にも二人の息を合わせるってなかなか難しいですね。カップルでやってみるのもおもしろいので、ぜひ!
読者のみなさまへのお伝えは以上ですが、もっともっと「へー、えええぇ!?」と知識を深められることが他にもいっぱいありました。
グンゼ博物苑で詳しく展示・解説されていますので、みなさんの興味のおもむくまま、ぜひ現地でじっくりとご覧になってくださいね。
【観光コラム】レンタル着物をワンランク上の着心地に!@cocochi select by GUNZE
散策で汗ばむ秋、底冷えする冬の「キモノ京都観光」を快適に過ごすためにグンゼおすすめの万能インナーを教えてもらいました。和服、洋服の両方のシーンで活躍できるアイテムをピックアップ!
京都市内ではアクセス抜群のゼスト御池内に、グンゼ直営のセレクトショップcocochi select by GUNZEがあります。
ぜひ、ショップに訪れて実際にグンゼの肌着に触れてみてください~。もちろん、web販売もしていますよ。
敏感肌の方におすすめ!「完全無縫製®」シリーズ
https://www.gunze.jp/kireilabo/muhousei/より
『KIREILABO(キレイラボ)』は肌が喜ぶスキンウェア。肌へのやさしさにこだわって作られています。
キレイラボの「完全無縫製®」シリーズは、グンゼの独自技術により縫い糸を一切使わず、生地と生地を貼り合わせた接着仕上げ。縫い目がないのでやさしい肌あたりです。さらに、体にフィットし、もたつきにくい、抜群の着用感も特長。
また、特殊な編み方で、生地端は全て切りっぱなしのカットオフに。ファッションに合わせて好きな箇所でカットすることも可能なんです!
着物愛用者からも支持あり!人気のカップ付インナー
締め付け感がなくやさしい着ごこちが人気のキレイラボのインナー。カップ付タイプは、カップ下にゴムがなくて快適な着ごこち。「カップの縫い付け部分が痛い」、「ゴムの締め付け感」から解放されます。
商品はコチラからチェック⇒https://www.gunze.jp/kireilabo/muhousei/
寒さや乾燥の悩みを吹き飛ばす!完全無縫製厚手ウォーマー
https://www.gunze.jp/kireilabo/m_warmer/より
起毛感、保温&保湿性がさらにアップした、キレイラボ史上最高クラスのあたたかインナーが登場しました。
とにかく寒いのが苦手!という人には起毛感たっぷり、保温力に優れた厚手タイプ、着ぶくれしたくない!という人には薄手なのに温かい発熱起毛タイプがおすすめです。
商品はコチラからチェック⇒https://www.gunze.jp/kireilabo/m_warmer/
■■information■■
グンゼ博物苑
京都府綾部市青野町膳所1「あやべグンゼスクエア」内
10:00〜16:00
火曜休館(祝日の場合は翌日)
入場無料
【お問い合わせ】
月〜金曜 TEL 0773-42-3181(グンゼ(株)人事総務部)
土・日曜、祝日 TEL 0773-43-1050(グンゼ博物苑)
■■information■■
cocochi select by GUNZE ゼスト御池店
京都府京都市中京区御池通寺町東入下本能寺前町492番地1
ゼスト御池地下街 N-7
075-256-8876
10:30 ~ 20:00
定休日はゼスト御池店の休業日に準ずる