8月15日は「ドッコイセこども大会」〜福知山の夜空にスカイランタンが舞う♪〜
「お城とスイーツのまち」として有名で、これまでKYOTO SIDEでも、足立音衛門、洋菓子マウンテン、どんぶりプリンなど多数の記事で紹介している福知山。来年1月スタートの大河ドラマ「麒麟がくる」の放送により、明智光秀ゆかりの地として、今後注目度がグングンUPすること間違い無し!
その福知山の夜空に「スカイランタンが舞う」という情報を入手。どれどれ?どんなの?どうしてランタン?ということで、現地取材してきました〜!
「ドッコイセこども大会」でスカイランタンが舞う!
夜空に浮かぶ600個のスカイランタン
スカイランタンといえば、毎年旧正月明けに行われる台湾の平渓天燈祭が有名ですよね。優しく明るい光のランタンが、ふわりふわりと夜空を舞う様は幻想的。それを目当てに台湾旅行!というのも、もちろん素敵ですが、なんとこの夏、ここ福知山でもスカイランタンが舞い上がるんです!!
「福知山の夏」といえば、毎年お盆の8月15日に開催されるお祭り「ドッコイセこども大会」!明智光秀にルーツをもつ、400年の歴史を誇る「ドッコイセまつり」(8月14日〜16日 、24日〜25日 )の中で、MAXの盛り上がりを見せるお祭りです。その目玉企画として、今年初の試みとなるスカイランタンが予定されているのだとか!LEDライトによるスカイランタン約600個が、福知山の夜空に浮かびます。
「ドッコイセこども大会」って、どんなお祭り?
500人もの子ども達が一斉に踊る!
明智光秀ゆかりの御霊神社が建つ御陵公園から広小路通りを会場に開催される「ドッコイセこども大会」は、およそ35年の歴史があります。
幼児から高校生総勢約500人が参加するドッコイセ踊りコンテストがメインイベント。「ドッコイセ〜」の掛け声が響き渡り、祭り囃子に合わせて30ものグループが一斉に踊る様子は壮観。当日飛び入り参加もOK!
名店&人気屋台など約40店舗が並ぶ!
魚のつかみ取りや射的などの夜店、福知山ゆかりの屋台のほか、福知山ワンダーマーケットに出店している人気店、トータル約40店舗が並び、ゲストライブも行われる、福知山最大のイベントです。
人気シンガーソングライター「ハジ→」出演!
今年のゲストライブには「for you。」「カタオモイ。」「指輪と合鍵 Feat.Ai From PSP」などの曲で人気のシンガーソングライター「ハジ→」(写真左)が出演。中高生に大人気ということで、中学3年生の我が娘に話したところ、「え!ハジ→!? スゴイ!!」と大コーフンしてました(笑)。ちなみに、昨年のゲストはベリーグッドマン(写真右)。一昨年はET−KING。
花火に代わって夜空を彩るスカイランタン
6年前の花火大会での露店爆発事故を境に(花火による事故ではありません)、毎年8月15日に開催されていたドッコイセ花火大会は中止に。「夜空に美しく舞う、花火に代わる何かをしよう!」と、毎年「ドッコイセこども大会」を主催、運営している福知山商工会議所青年部の皆さんが、スカイランタンを発案。5年前のあの日から、見ることのできなくなった美しい光を、「スカイランタン」という形で表現しようというわけです。
ではでは、青年部の皆さんの魂が籠ったランタン。一体どういったものなのか?実物&作り方を見せていただきました〜♪
コスト削減!手作りランタン
商工会議所の一室が臨時工場に!?
普段は会議などが行われている商工会議所の一室が、見事にランタン工場と化していました(笑)。それもそのはず。市場では、ランタンキットなる既製品が販売されているそうですが、それだとコストがかさむ…ということで、青年部メンバーによる完全手作業なんですって!?
実際に作ってもらいました!
青年部ドッコイセこども大会実行委員会の皆さんにご協力いただき、工程を見せてもらいました。
1 まずは、フッと軽く吹いただけで飛んでいきそうな薄い紙2枚の端を張り合わせ、筒状にします。
2 その紙に、桔梗を象った明智光秀の家紋を模した型を置き、水色のスプレーを吹き付けます。マスクは必須。床や衣類など一面真っ青に染まるので要注意とのこと(笑)。この型も手作りというからビックリ!
3 それができたら乾燥。紙があまりにも薄くてデリケートなので、紙の持ち運びも慎重に。進みたい方向を背にして、後ろ向きに進むことで紙が体につかず歩けるのだとか。乾く前の色素が、何度か服についたことから編み出された技(涙)。
4 次に、風船の中に入れる、LEDライトにリチウム電池をセット。端子部分がまっすぐのままだと風船を突き破ってしまうので、一つ一つ手で曲げるという手間のかかりぶり。
5 4でできたLEDライトを風船の中に入れ、風船を膨らませます。本番はヘリウムガスを使いますが、ヘリウムガスは価格が高いので、取材当日はサンプル用に自力。
6 3で乾かした紙のサイズに合うように、絶妙の大きさに膨らませた風船を筒状の紙の中へ入れます。
7 風船の頂点を覆うようにして紙をテープで止めます。
8 出来上がり〜〜!桔梗モチーフの家紋がポイント♪
度重なる失敗の末、ついに完成
紙の重さに対して、風船を大きくすれば浮かせるのは簡単。でも、できるだけ沢山のランタンを飛ばしたい!という想いから、浮かせられる最小限の風船の大きさを模索する日々が続いたそう。同時に、どうしたら綺麗に見えるか?風船の色とLEDライトの色の組み合わせを、あれこれ試し、最終的に白い風船×オレンジのライトに行きついたんだとか。
家紋の型作りも、スプレーで溶けないように工夫を重ねたり…試行錯誤の末出来上がった、まさに魂のランタンなのです。
ランタンに願いを乗せて♪
本番当日は、このランタンに参加者が願い事を書いた短冊を貼り、凧のように紐をつけて空に飛ばします。安全性とエコにも配慮し、飛ばした後は紐で各自回収できる設計にされています。
ワークショップも大盛況!
試作&試行も兼ねて、7月には福知山公立大学の学生さん達と共同で、スカイランタンのワークショップを開催。当日は七夕にちなんで、本番同様、短冊に願い事を書いて飛ばしたそうです。子ども達も大喜びで大盛況!若い世代が地域に関心を持ち、福知山で楽しく暮らせるように、青年部の皆さんが様々な仕組み作りや、仕掛けをしています。
福知山スカイランタンの仕掛け人
アイデアマン・奥田さん!
今回、「スカイランタンやろう!」と言い出した立役者が、こちらの奥田友昭さん。福知山商工会議所青年部のメンバーで、ドッコイセこども大会実行委員長をされています。
アイデアマンの奥田さんを中心に、頼もしい参謀達と共に力を合わせ、実現するスピード感と遂行力はお見事!奥田さんが「スカイランタンやろう!」と言い出してから、およそ3か月で形にしているというから驚きです。
青年部メンバーの見事なチームワーク
もちろん皆さん本業があります。奥田さんは広告制作やメディア編集の会社を経営、足立さん(写真左)は飲食店経営、小松さん(写真右)はこの春初当選した福知山市議会議員。その他の青年部の皆さんも、本業があるものの「どっちが本業かわからん。ここ数ヶ月毎日一緒におる。毎日ランタンのことばっかり考えてる(笑)」と口を揃えます。
福知山を盛り上げよう!と同じ想いを持つ、青年部メンバーの仲の良さはバツグン。その仲の良さは有名で、「青年部に入りたいから商売やる!」という意欲ある若者も多いんだとか。奥田さんが起業相談にも乗り、実際起業に至るケースもあるそう。青年部の風通しの良さ、チームワークの良さがうかがえます。
通りすがりのお婆ちゃんとも仲良しに♪
インタビュー中に通りかかったお散歩中のお婆ちゃん二人組に「お婆ちゃんたちも座る?どうぞ入って入って」と、声をかける奥田さん。「ええの?ありがとう」と座るやいなや、「お婆ちゃんいくつ?ドッコイセ祭り知ってる?昔から知ってる?」とインタビューし始めます(笑)。
戦争を体験しているお婆ちゃんたちから当時のお祭りの様子などを教えてもらい、ドッコイセ祭りの歴史を実感すると同時に、奥田さんの「老いも若きも巻き込む、人を巻き込む力」を目の当たりにしました。
奥田さんの一言から始まったスカイランタン企画。ここに至るまでの様々な失敗断や苦労話を聞かせてもらいましたが、ただ、それを語る皆さんの表情が常に笑顔。
「毎年いろんな企画をやって、準備とか色々大変なんですけど、祭り当日の子どもたちや参加者の喜ぶ顔を見ると、こっちまで笑顔になりますし、本当に楽しいんですよね。みんなの笑顔が見たいからやってるんやと思います」
花火大会での事故、度重なる水害…と悲しい事態に見舞われた福知山。「福知山の人たちが明るくなるように!」「皆に喜んでもらうために!」「ネガティブなイメージを払拭するために!」…そんな想いのもと、花火に代わって「スカイランタン」が福知山の夜空を彩ります。
「ドッコイセこども大会」に込める想い
奥田さん達はこう言います。
「ドッコイセ踊りの『ドッコイセ〜』という掛け声。これは、400年前に光秀が福知山城を築城する際や堤防を築く際に使われていた掛け声なんだそうです。当時の技術からして人力での作業であったことは間違い無く、とても辛い作業だったと推察されます。それを、福知山の人々は『どっこいしょ。どっこいしょ』と掛け声をかけて楽しみながら作業をしたそうです。のちに『どっこいしょ』が変化して『ドッコイセ』となったとか。ドッコイセ踊りは、当時の、楽しみながら作業をしている姿を反映していると言われています。
辛いことでも、家族や仲間と協力して楽しみながら乗り越えていく。現代においても水害や、度重なる人災にもめげずに諦めずに頑張る。『ドッコイセ』は、時代を超えて受け継がれる、福知山にとって、とても大切な言葉。それを子供達に伝えたいっていうのが、スカイランタン、そして『ドッコイセこども大会』をやる本当の意味かもしれません。」
「スカイランタン」が福知山の夏の風物詩となるように、クラウドファンディングも実施。見事、目標額150パーセント達成!!あとは当日のお天気&お祭りの成功を願うばかり。福知山の空よ天気になぁれ〜!!! スカイランタンよ、みんなの想いを乗せて美しく舞い上がれ〜!!!
■■Information■■
「ドッコイセこども大会」
日時:8月15日(木)午後4時~午後9時50分
場所:広小路通り・御霊公園
※荒天の場合中止(スカイランタンは8月24日に順延)
TEL:0773-22-2108(福知山商工会議所青年部事務局)
「#ドッコイセこども祭り」のTwitter
中野里美
毎月第4日曜日に開催される「福知山ワンダーマーケット」の取材で、福知山を訪れて以来、美味しくて魅力的なお店が多いことを知り、福知山のファンになりました♪ 「ドッコイセ〜」に込められた意味を体現している青年部の皆さんを見習って、私も新たなことにどんどんチャレンジしたいと思います!皆さんありがとうございました〜!!