ただ凍らせるだけじゃない!? 夏はめちゃくちゃ売れる『かち割り氷』製造の裏側に潜入
暑い夏の時期に爆発的に売れる『かち割り氷』。「水を凍らせて売るだけなんて簡単に儲かるのでは……」なんて、考えてしまったことはありませんか?
そこで今回は、2019年5月31日(金)に、読売テレビ『大阪ほんわかテレビ』で放送された『情報喫茶店』より、『かち割り氷』製造の裏側に迫ります!
■30時間も冷凍!? 手間暇かかった無色透明の氷
『かち割り氷』を作っているのは、創業96年の老舗『クラモト氷業』。夏には1日最大30トンもの『かち割り氷』が売れるとのことで、秋ごろまではかなり売れるとのこと。
製造現場に入ると、1個につき、140リットルの水が入る容器が8つ。
ここに一気に水を入れていくのですが、使われている水はなんと、水道水!
「水道水を凍らせるだけなんて……」と思ってしまいそうですが、実はこの後の作業に手が込んでいるのです。
まず、水を入れた容器は床下に移動。床下にはマイナス10度の液体が入っており、こちらで水道水を凍らせていきます。
ここがポイント! ただ凍らせるのではなく、水道水に空気を送り込んで凍りづらい状況を作ります。こうすることで、ゆっくりと凍らせることができ、不純物が取り除かれた綺麗な氷が作られるのです。
家で作る氷の中は白くなりますよね? 実は白い部分はカルキなどの不純物。水は綺麗な部分から先に凍るため、最後に不純物が中心に集まって凍るのです。しかし、『かち割り氷』が無色透明なのは、不純物だけが固まって凍らないように空気を入れながら時間をかけて凍らせているからなのです。
そして、30時間かけて約100kgの氷が完成。その後は、氷の温度を整えるために丸1日冷凍庫で保存します。
■製造開始から3日目でいよいよ“かち割り”に!
そして、製造開始から3日目でようやく、“かち割り”にしていきます。
氷を粉々にするローラーに100kgの氷の塊を入れると、なんと、たった15秒で粉砕されます。
そして、網目ドラムでふるいにかけると、小さな氷の破片は下に落ちていき、残った『かち割り氷』だけが商品になっていくのです。
いかがでしたか? 完成まで3日間と手間暇かかった『かち割り氷』。氷を作るなんて簡単と思いきや、ただ単に水を凍らせて割っているだけではないのです。手が込んでいるからこそ、めちゃくちゃ売れる『かち割り氷』ができるんでしょうね。(文/野村真帆)
【画像・参考】
※ 読売テレビ『大阪ほんわかテレビ』(毎週金曜 よる7時~)
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