2018年から2019年3月にかけて、20年ぶりに大阪・梅田に来ていた『木下大サーカス』。年間120万人が訪れる世界3大サーカスのひとつとして知られています。
そんな『木下大サーカス』ですが、人気の裏で一体どのようにして全国各地を巡っているのか気になるところ。
今回は2019年5月17日(金)に、読売テレビ『大阪ほんわかテレビ』で放送された『情報喫茶店』より、今まで知られていなかった『木下大サーカス』の裏側に迫ります!
■公演のプログラムは当日の朝に決める
大阪公演最終日、団員歴23年の高原さんの朝は、なんと5時30分からスタート。朝一番の仕事は、プログラムを組むこと。
なんと、毎日当日の朝にその日の公演プログラムを組むのだそうです。何度来ても楽しんでもらえるよう、動物の体調やお客さんの感想を元に、公演内容を毎日変えているのです。
そしてプログラムを組み終えた後、7時15分からはトレーニングを開始。高原さんはプログラムを組むなど運営の仕事をする傍ら、今も第一線で活躍するパフォーマーなのです。
トレーニングを終えると、舞台の掃除をして、子どもたちが登校するのをお見送り。『木下大サーカス』の団員さんたちは、家族と一緒に生活しながら日本全国を巡業しているのです。高原さんも4人家族で、毎日欠かさず子どもたちの登校を見届けます。
■一人何役も!出番だけでなく裏方仕事もこなす団員達
10時に開場すると、お客さんが続々と会場に入ります。その時、本番直前の高原さんはなんと売店で接客中。そして、出番が近づくと、売店を閉めて、ステージへダッシュ。売店を出てからステージに出演するまでの時間は、わずか5分! 公演終了後も売店で接客をするなど、常に動き回っています。
しかし忙しいのは、高原さんだけではなくて、『木下大サーカス』の団員さん全員なんです。団員さんたちは、みんな1人複数の役割をこなし、常にフル回転でお仕事をしているのだそうです。
■撤収作業もすべて団員の手作業
毎日フル回転で忙しい団員さんたちにとって一番忙しいのは、公演最終日。終演後わずか30分で、撤収作業が開始。そして、作業に取り組むのも、なんと団員さんたちなんです。
ショーの出演だけでなく、解体、設営まですべて団員さんたちの手で行われているのだそう。
わずか3日で引越しをしないといけないため、社長さんも含めて約100名総出でフル稼働! 運ぶ荷物の量もすさまじく、10トントラック100台分にも及びます。
観客席、照明器具、舞台道具と、ありとあらゆるものを、すべて手作業で解体。その他にも、ショーや生活のために必要な電気設備も、団員さんの手で工事しているとのことです。
そのため、専門の資格である「電気工事士」の資格を持った団員さんも。地上20m、普通ではない高所での作業が多く、業者に発注してもできないことが多いため、自分たちの手ですべて行なっているのだそう。
そしてサーカスのメイン、直径50mのテントは約30分で解体! しかし、ここからが本当に大変な作業。解体後、テントを丸めるのですが、収容人数2000人、台風にも耐えられるというテントの重さは約1トン。そのため丸めるのは大変な重労働で、3時間かかって、ようやく1台のトラックに収まる大きさになるのだそうです。
■たった3日間で次の巡業地・名古屋へ
わずか3日で綺麗さっぱり。そして次の会場の名古屋へ向かうのです。
名古屋での設営ももちろん、団員さんたちの手で行われます。こちらもわずか1週間で設営され、無事に大阪から名古屋への引越しが完了しました。
いかがでしたか? 華やかなステージの舞台裏には、団員さんたちによる地道な努力が随所に見られました。『木下大サーカス』のスゴ技はパフォーマンスだけでなく、サーカス団そのものだったのです。(文/野村真帆)
【画像・参考】
※ 読売テレビ『大阪ほんわかテレビ』(毎週金曜 よる7時~)
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