男前&ユニークな「男前豆腐店」!京都が誇るものづくり企業に潜入@南丹市
「特濃ケンちゃん」や「信吾港町」など、個性的なパッケージが目を引く「男前豆腐」。皆さんもスーパーなどで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?これらの商品は、京都府南丹市にある男前豆腐店株式会社が製造しているんです!今回は、この人気の豆腐がどのように作られているのか、また作っている会社のユニーク過ぎる社内事情まで、たっぷり取材してきました!!
南丹市にある「男前豆腐」の本社へ
森の恵みと良質な水のまち
早速、南丹市へとやってきた編集部。“森の京都”である南丹市は、京都府中部に位置し、かやぶきの里・美山町や、四季折々の光景が美しいるり渓高原など、豊かな自然と良質な水に恵まれたまちです。
南丹市の工業地帯にある男前豆腐店株式会社は、2005年に設立したお豆腐屋さんです。社長の伊藤さんは「京都で仕事をしたい」という思いもあり、豆腐工場の跡地であった今の場所で男前豆腐店を始めました。
全国の豆腐ファンを魅了する「男前豆腐」の工場に潜入!
豆腐作りの工程をちょっぴり見せてもらいました!
さっそく、男前豆腐店の工場を見てみましょう!(写真では一部しかお見せできませんがご了承ください~)
まず、水に一晩浸して膨らませた大豆をすりつぶし、「なまご」と呼ばれるドロドロの状態にします。そこから煮込み、絞ることで豆乳とおからに分けていきます。すると、写真のようなさらさらの豆乳が完成!
そのまま豆乳とにがりを容器に充填。中身を入れたらすぐにシールをして約90℃で加熱後、一気に冷やしていきます。これが充填式といわれる豆腐の作り方です。
木綿豆腐や絹ごし豆腐のような、豆腐を成型してから容器に入れる場合と違って、容器を密閉した後に加熱をするので豆腐本来の旨味を逃さず、衛生的になることで賞味期限も長くなるんです。
「でも、やはり作り立てが一番ですのでお早めにお召し上がりください」(by男前豆腐店)
そうしてできた製品は続々と出荷されていきます~
なんと、主力商品である「特濃ケンちゃん」は1日に何十万丁も製造されているんですって!
今回、特別に加熱後のあつあつなケンちゃんをいただきました~♪
まだ冷やす前なので、おそろしく柔らかいです。そして口の中でふわっととろけて豆腐の旨味が広がります。
男前豆腐店のマネージャーに聞いた男前豆腐の美味しさのヒミツ
今までになかった「滑らかな豆腐」の作り方とは?
工場から戻り、広報担当のマネージャー・中井さんにお話を伺いました!
―豆腐の主原料でもある「大豆」に、何かこだわりはありますか?
甘みが強い北海道の大豆をメインに使っています。この大豆にすることで豆腐の旨味がアップするんですよ。ただ、この大豆はタンパク質が少なく固まりにくいのですが、弊社ではこの旨味を重視し、豆腐を固める技術を開発しました!
―なるほど!欠けてる部分は技術で補う……そういうところが男前ですね!では次に、豆腐作りに欠かせない「水」はどのようなものを使っていますか?
まず、豆腐を作るには軟水が適していると言われています。工場の場所をここに決めたのも軟水が出るというのが理由の一つです。
また、この辺りは良質な水がとれるためか、うちの他にも食品工場がたくさんあるんですよ。
―男前豆腐といえば「滑らかな食感」が特徴ですが、作り方に秘密はありますか?
実は、大豆の皮を最初に剥いてしまうことで、エグみのない滑らかな豆腐ができるんです。大豆の美味しいところだけを残しますので、日本酒の大吟醸の作り方と似ているかもしれません。
本来、皮ごと豆腐にしてしまうので、ほかの業者さんからしたらわざわざ皮を剥くのは不思議だったかもしれませんね。
―ひと手間かけることがあの美味しさを生むんですね……う〜ん、まさに豆腐界の風雲児です!
ー男前豆腐のもうひとつの特徴として、個性的なパッケージが目を引きます。
はい、これは基本的に社長である伊藤ジョニー信吾がデザインしています。どんな文字にするかとか、絵柄とかの大枠を作り、書家やイラストレーターさんにお願いしています。
―社長さん自らデザインされてるんですね!社訓の「本物の男前は あなたを裏切ったりしない」がしっくりくるパッケージですね。
そうですね(笑) この社訓はお客様に向けた言葉でもありまして、豆腐を買うのは主婦の方が多いので、「お客様を裏切りたくない」、「本物はあなたを裏切りませんよ」という意味を込めています。
ユニークなのは商品だけじゃない!?男前豆腐の社内ルール
社員全員がもつミドルネームとは
ー男前豆腐店では社員全員にミドルネームがついていると聞きました。
はい、ほぼ全員についてます(笑)「私はいりません」という人にはミドルネームがありませんが……。
社長に命名されるか、自ら申告して名前を付けるかの2パターンですね。ちなみに私は「チャールズ」という名前ですが、理由は「イギリスのチャールズ皇太子に似ているから」だそうです。
―た、確かに……(笑) 他にはどんな名前があるのでしょう?
先ほど工場を案内した社員は「マイケル」です。また、うちの工場長は女性なのですが、「マーガレット」といって「マーガレット・サッチャー(※)」から付いています。なんというか、男前な方なので…(笑)
※「鉄の女」の異名で知られるイギリス初の女性首相(在任: 1979年〜1990年)。
―みなさんミドルネームで呼び合うんですか?
なかなか恥ずかしいですけどね(笑) 結局名字で呼ぶことの方が多いですが、ミドルネームで呼ぶ人もいますよ。
男前豆腐のアレンジレシピに挑戦!
本家オススメの4つの食べ方をご紹介
大豆の風味がしっかり効いている男前豆腐は、シンプルに冷奴で食べるのがおすすめです。しかし!醤油やポン酢をかけるだけではないんです!アレンジ次第でおかずにもスイーツにもなるレシピを教えていただきました~
まずは塩こんぶごま油。名前の通り、塩こんぶとごま油をかけるだけ!ゴマ油をかけるのはちょっと意外ですね。香ばしい香りが食欲をそそります~
【材料】
・やさしくとろけるケンちゃんor特濃ケンちゃん 1パック
・塩こんぶ(適量)
・ごま油(適量)
続いてはアボカドレモン。アボカドを乗せるだけでお洒落な雰囲気になりますね。
【材料】
・やさしくとろけるケンちゃんor特濃ケンちゃん 1パック
・アボカド(薄くスライスした物)
・レモン(適量)
・醤油(適量)
こちらはなんと黒みつときなこをかけたスイーツ!ケンちゃんシリーズは甘みもあるので、意外と合うんですよ。
【材料】
・やさしくとろけるケンちゃんor特濃ケンちゃん 1パック
・黒みつ(適量)
・きなこ(適量)
こちらはちょっと上級者向け(?)豆腐の天ぷらです。
【材料】
「やさしくとろけるケンちゃん」or「特濃ケンちゃん」1パック
・小麦粉(適量)
・大根おろし5g程度
・おろししょうが2〜3g
・天つゆ(適量)
【作り方】
①3等分したケンちゃんに小麦粉をまぶして、175〜180℃の油で3〜4分揚げる。
②【1】を器に盛り、大根おろし、おろししょうがを添える。
③天つゆでいただく
(コツ・ポイント)
天つゆは市販のものでもよいですが、「だし4:薄口しょうゆ1:みりん1」の割合を覚えておくと、簡単に手作りできます。
HPにもたくさんレシピが載ってますので、ぜひ試してみてください~
豆腐のみにとどまらない、男前豆腐の試み
豆腐屋にもグッズがあったっていいじゃない!
お客様を裏切らない男前な豆腐のほかに、実は男前なグッズも販売していることをご存知でしたか? Tシャツやジャージ、タオルにキーホルダーなど、なぜ豆腐屋さんなのにグッズがあるのか……。
それは会社設立当初「ライブグッズがあるなら、豆腐屋にもグッズがあったっていいじゃないか」という社長の鶴の一声で始まったそう。
豆腐屋らしい前掛けや手ぬぐいのほか、なぜかベーゴマなど種類豊富なグッズがそろっています。販売当初からSOLD OUTしている幻のグッズもありますので探してみてください♪
いぶし銀なグッズはHPからも購入できますよ。
さらに、京都・宇治市で夏に行われるライブフェス「京都大作戦」にも毎年出店していて、そこではフェス限定の豆腐が販売されます。なぜ限定なのか。それはパッケージをコラボさせているのもありますが、実はこの豆腐、男前豆腐の職人さんによって完全手作りされているのです!
お祭り限定の採算度外視の逸品です~
グッズもあれば社歌もあるんです
そして、ぜひみていただきたいのがこの「男前音頭」!なんと会社の歌を作っているのです。社訓「本物の男前はあなたを裏切らない」をテーマにしたシブ~イ楽曲。
Music Videoも制作されており、男に振られた女性に手を差し伸べる男前はなんと、あのパパイヤ鈴木さん!
元々は社長が作曲し、「どうせなら振り付けをつけよう」となった時にダメ元でパパイヤさんにオファー。快く受けてくれたのち、流れは「じゃあMusic Videoも作ろう」に…。せっかくパパイヤさんが振り付けをし、さらに出演もしてくれるのだからと映像制作のプロにお願いして完成したのがこの1曲です。
ほかにも
豆腐屋のロケンロ
オトコマエイェイ
など、オリジナルソングがたくさん!男前音頭はカラオケにも入っているので歌えちゃいますよ♪
確かな品質を楽しみながら提供したい
最後に、中井さんに今後の目標について伺いました。
「楽しいことを楽しみながらしたいですね。もちろん、食品会社として安心安全を最優先に。真面目な部分を表に出さずに、楽しんでいるところを見せられるのが本物の男前だと思います。」
いかがでしたか?いつも見かけるお豆腐に、こんなにもユニークな裏側があったんですね。
ふざけているようで真面目に豆腐を作り続ける男前豆腐店。お店で見かけた際は、ぜひ手に取ってみてくださいね~!
■■INFORMATION■■
男前豆腐店株式会社
住所:京都府南丹市八木町船枝滝ノ方50番地
電話:0771-42-4511(代表)
社訓:本物の男前は あなたを裏切ったりしない
https://otokomae.jp/
【通販のご案内】
男前豆腐を食べたいと思ったら…下記サイトよりお取り寄せも出来ます。
http://rokenro.com
※本社でも販売あり