冷凍なのに“生”同然のマグロに!スゴすぎる「食」の最先端技術3つ
人工知能、AIの進化がめまぐるしい現代。身の回りの家電や機器だけではなく、私たちの知らない“食”の分野でも技術が進化しているんです!
今回は2019年3月14日放送された、読売テレビ『朝生ワイドす・またん!』の人気コーナー『まるトクZIP!』より、“食の最先端技術”をご紹介します!
■1:魚を眠らせて運ぶ?世界初のスゴ技睡眠技術『魚活ボックス』
最初にご紹介する仰天技術は大阪・泉佐野市にある『大阪活魚センター』。こちらではなんと世界初の技術『魚活ボックス』というものが今年から稼働しています。
いったいどんな技術なのか、さっそく見せてもらうことに。
このボックスの中にお魚を入れると……、あっというまに仰向けに。
一見、死んでいるのではないか?と思うのですが、実は“眠っている”んです! これが魚を24時間寝かせる世界初の睡眠技術、『魚活ボックス』。ボックスの中の二酸化炭素濃度を上げることによって魚が眠る仕組み。元の海水に戻すと数分後には完全復活するんだそう。
今までは生きた魚を輸送するには活魚車を使用していたのですが、例えばイカだと墨を出して全滅してしまったり、ハモたちはかみ合って商品にならなかったりと、運搬するときに大変なリスクがありました。
しかし、この魚活ボックスを使えば魚を眠らせたまま、とれたてのキレイな状態で産地から市場まで運べて、鮮度が落ちることなく届けることができます。
■2:最先端の栽培システムで激うまイチゴが誕生『ミガキイチゴ ゴールド』
宮城県にあるイチゴ栽培所『GRA』では、イチゴのおいしさを最大限に引き出した『ミガキイチゴ ゴールド』(1箱/5,000円・税込)を栽培しています。
このイチゴは甘くてほどよく酸味があり、かむたびにイチゴのジュースが口の中でいっぱいになる高級イチゴなんです。なんと1粒400円ほどするのだとか。
実はこのイチゴ、実は最先端技術を使い、完全自動化で栽培しているんです。
鍵となるのはこちらのボックス。このボックスでハウスの中をコントロールしています。イチゴ本来のおいしさを引き出すのは光合成が重要なのですが、このボックスのセンサーでハウス内の状況を完全管理して、光合成のための最高の環境を作るという仕組みです。
例えばハウス内の二酸化炭素が減ると自動で二酸化炭素を出したり、湿度が下がると自動でミストを噴出したり、また温度の高低を検知し自動で屋根が開閉したりなど、実に細かな作業をしています。
この技術ですが、なんと世界各国から農業関係者が視察にくるんだとか。最先端の技術で栽培されたイチゴをお試しあれ。
■3:世界初!食材が生同然の激ウマに大変身!『プロトン凍結機』
最後にご紹介するのが奈良県にある『菱豊(りょうほう)フリーズシステムズ』が開発した『プロトン凍結機』。
実は世界初の仰天冷凍機なんです。いったい何がすごいのでしょうか。
試しに同じ部位のマグロをプロトン凍結機と通常の業務用冷凍庫に入れ、同じ条件で解凍すると……
通常冷凍したマグロはどうしても細胞が破れてしまい、ドリップと呼ばれるうまみ成分が流れてしまうそうです。しかし、プロトン凍結のマグロを解凍してみると、まったくドリップが出ていません!
一度冷凍したとは思えない、マグロの潤い感! 生のマグロと比べてもほとんど見た目が変わりません。
なぜドリップにこんなに差が出るのかというと、通常の冷凍庫だとマグロを凍結するのに8時間かかりますが、プロトン凍結はたったの1時間でマグロを凍らせることができるからなんだそう。
凍結速度が早いと食材の細胞が破れないのでドリップが出ないのだとか。そのため、味も生のマグロとほとんど変わりません。
高速凍結ができる秘密は、凍結機の中に強力な磁石が設置されているから。磁石で水の分子を整え早く凍る状態にしていたんです。さらに、ここに冷風と電磁波を加えることによってさらに凍結速度を早めているんだとか。
魚だけでなく、ステーキ肉でもこの差! 実はこのプロトン凍結は多くの食材ですでに実用化され、通販でも大人気なんだとか。
プロトン凍結のおいしさを味わってみてはいかがでしょうか?
いかがでしたか? ここまで食の技術が進化していたなんて驚きですよね。これからますます、おいしい食材があなたの食卓に並ぶこと間違いなしです。(文/AYA TAKAGAKI)
【画像・参考】
※ 読売テレビ『朝生ワイド す・またん!』(月曜~金曜 5時20分~)