知らないと恥ずかしい!? 会食をスマートにこなすビジネスマナー
春は、新しい人との出会いや会食が増える時期。
そんなビジネスシーンにおいて気をつけたいのが、会食のマナー。
手土産や食事のマナーなど、取引先や相手に失礼のないようにしたいですよね。
そこで今回は、目上の方との会食で気を付けたいビジネスマナーをご紹介します。
1:手土産のマナー
(1)日持ちするものを選ぼう
お菓子や飲み物などの食べ物を手土産にするときは、ある程度日持ちするものを選ぶと良いでしょう。
賞味期限日が近すぎるものを選ぶと、食べきるまでのリミットが短く、先方が困ってしまうかもしれません。
日持ちがする食べ物なら、万が一手土産が相手の好みに反していても、家族や来客に振る舞うことができますね。
また、生菓子は先方が用意しているケースがあるため、被りを避けるという意味合いもあります。
(2)個包装のものを選ぼう
たとえばクッキーを持って行く場合、個包装でないものを選ぶと、開けてしまったが最後、できるだけ早く消費しなければいけなくなりますよね。
これは相手のことを考えるとあまり良い判断ではありません。
個包装のクッキーをお持ちすれば、食べたい分だけ食べることができ、食べ切らなかった場合も来客に振舞ってもらうことができます。
(3)重さは軽すぎても重すぎてもNG
手土産の重さは、軽すぎても重すぎてもいけません。
軽すぎると「良いものをもらった」という感覚が弱くなりかねませんし、逆に重すぎると持ち帰るのが大変になるからです。
適度な重さがあり、なおかつ個包装で日持ちするものを選ぶなら、やはりクッキーなどの焼き菓子がちょうどいいでしょう。
(4)渡す相手が複数いる場合でも同じ手土産を用意しよう
迷ってしまうのは、手土産を渡すべきクライアントが複数いる場合です。
立場や役職、性別が違う場合でも、基本的には同じ手土産を人数分用意するようにしましょう。
万が一渡し間違いがあった場合、先方に失礼になってしまいます。
これを事前に防ぐためにも、手土産は同じものを用意しておくのがベターでしょう。
2:中華・ビュッフェ・和食の食事マナー
(1)中華料理のマナー
中華料理の特徴は、テーブルが丸い円卓ということです。円卓は、時計回りに回すのが基本。
最初の料理だけは、全員が取り終えてからいただきます。知らずに自分だけ先に食べることのないように気をつけましょう。
また、取り皿は“一品一皿”。前の料理と味が混ざらないようにするために、新しい料理をいただくごとにお皿を取り換えます。
そして中華料理では、器を持ち上げていただくのはマナー違反。手に持っていいのは、れんげ、お箸、湯飲みと覚えておきましょう。
れんげは、溝に人差し指を入れて親指と中指をはさむようにして持ちます。スープ、麺類、ご飯類をいただくときも、れんげを使うのが正式のマナーです。
(2)ビュッフェマナー
ビュッフェは、ビュッフェ台の右から左(時計回り)に進みます。
料理を取る順番は、右回りに進むとオードブル、スープ、メイン、デザートまで進めるようになっていることが多いので流れに沿って取ればOKです。
お皿に盛るとき、一度に大量に盛るのはマナー違反。少なめに見た目も意識して盛り付けをしましょう。
料理は、2~4品がベストです。温かいものと冷たい物は分けてくださいね。
お皿は、一度に一枚が原則。ただし、一度使ったお皿は使わずに新しいものを使いましょう。
(3)和食のマナー
和食は、お箸の使い方そのものや、器の上げ下げにもお作法があります。
お箸の取り方は、まず右手でお箸の中央をつまむように持ち、胸の前まで運びます。
そして、左手をお箸の下にそえて受け、右手をお箸にそって右方向へすべらせます。
右手を下に回して間に中指をお箸の間に入れて正しくお箸を持ってから、左手を離します。
お箸の置き方は、左手でお箸の中央辺りを下から持ち、右手でお箸を上から持ち直してお箸置きに戻します。
お茶わんなど器を持って食べる料理の場合は、器を先に持ち、お箸はそのあとに持つのが正解です。
3:箸・食器のマナー
(1)正しい箸の持ち方
箸は、上になるほうの中央部分を人差し指と中指で軽くはさみ、親指を添えます。
下のほうは、薬指にのせるようにして親指と人差し指のつけ根の部分で固定させます。
(2)箸の取り方、置き方
箸を取るときは、右手で箸の右側を持ち、胸の前まで持ち上げます。
左手で箸を下から支え、右手をスーッと横に優しく滑らせます。右手で箸の下にくぐらせて持ち替えて、左手を離します。
箸を置くときは、料理が直接触れる箸先3センチ程を箸置きから出るようにして置きます。箸置きがない場合は、膳の左縁にはし先をかけて置きます。
(3)箸置きがない場合は
折敷がある場合には、折敷の左ふちに箸先をかけます。箸袋がある場合は、箸袋を使って箸置きをつくるといいでしょう。
降り方は、特に決まりはありませんが、“文結び”や“千代結び”などが一般的です。箸置きをつくることで食卓を汚しませんし、見た目もきれいです。
(4)食べ終えたお椀の蓋を裏返して重ねるのはNG
食べ終えた印として蓋を裏返して重ねる方がいますが、お椀を傷つける可能性があるため、実はNG。
元の状態と同じように蓋はかぶせておくのが和食のマナーです。
(5)こぼれないように手を添えるはNG
箸でつまんだ料理を口に運ぶとき、汁や食べ物がこぼれないように利き手とは逆の手をお皿のように添えていただく動作(手皿)は、実はマナー違反。
手皿は、“私は箸の使い方が下手。私は食べ方が綺麗ではない”とアピールしているようなもの。
実際に、手の上に食べ物を落としてしまったら、汚れた手をおしぼりで拭く動作もあまりスマートとは言えませんし、おしぼりも汚くなりますよね。
洋食では器は持ち上げませんが、和食では手のひらサイズのお皿や小鉢は基本的に持ち上げてOK。
大皿のおかずについては、食べ物を運ぶときにお椀の蓋を受け皿として使うか、懐紙を添えてもスマートです。
万が一、懐紙の上にこぼれてもそのまま包むことができますし、種や魚の骨を口から出すときや口の周りをぬぐうナプキン代わりとしても懐紙は活用できます。
メモとしても使えますので、バッグに忍ばせておくといろいろな場面で重宝しますよ。
4:乾杯と注ぎ方のマナー
(1)相手のグラスより上の位置で乾杯するのはNG
1杯目はとりあえずビールで乾杯をするケースが多いですよね。グラス同士をカチンと合わせて乾杯しますが、合わせるグラスの位置に注意が必要です。
グラスの位置は相手と自分の立場を表します。目上の方(上司や取引先)のグラスよりも上の位置でグラスを合わせることは、“あなたよりも私の方が上”と見下したこととなり、失礼にあたります。
また、同じ高さでの乾杯も“あなたと同等”を意味するため、NG。目上の方のグラスよりも低い位置でグラスを合わせるのが正解です。乾杯の場でも、謙虚な気持ちや相手を立てる“心”を示すことが大切ですよ。
(2)互いのシャンパングラスをカチンと合わせて乾杯する
シャンパングラスでの乾杯は、ビールグラスでの乾杯とは違い、グラス同士を合わせて乾杯しません。
シャンパングラスやワイングラスは薄く繊細。カチンとグラス同士を合わせてしまうと、ひびが入ったり、壊れてしまう可能性が高いためです。
グラスを胸の高さまで持ち上げ、目と目を合わせて、笑顔で乾杯しましょう。
なお、カチンと合わせないのが正式なマナーではありますが、相手に合わせて臨機応変に対応しましょう。
(3)ビールの注ぎ方
まず、ビールはラベルを上にして持ちます。ビンは右手でしっかりと持ち、さらに落とさないように左手で口のところを支えましょう。
注ぎ方は、最初はゆっくりと注ぐのがコツ。そして途中から勢いよく注ぎ、泡が立つようにすると良いですね。
(4)銚子やとっくりのお酒の注ぎ方
銚子やとっくりは、右手で持つと良いでしょう。そして左手をすべらせて口のところに持っていきます。
注ぐときは左手を銚子やとっくりのお尻の方へ持っていき、テコの要領で注ぎましょう。少しずつ注いで8~9分目で止めるようにしましょうね。
会食の場は、相手との距離をグッと近づけるチャンスでもあります。
自分も相手も互いに気持ちよく同じ時間を過ごすためにマナーを守ることを心掛けましょう。