阪神・淡路大震災の年に生まれた女性を描く映画『港に灯がともる』の製作が決定。市内各所で3月から撮影するみたい
阪神・淡路大震災の年に生まれた女性とその家族の葛藤と成長を描く映画『港に灯(ひ)がともる』の製作が決定したみたいです。
主役は「富田望生(とみた みう)」さん。監督は、テレビ小説「カムカムエヴリバディ」などで演出を務めた「安達もじり(あだち もじり)」さんです。
気になるあらすじはこちら。
阪神淡路大震災の一か月後に長田で生まれた在日韓国人三世の金子灯。家族は震災後、長田を離れて仮設住宅に移り、その後復興住宅で暮らす。震災で家も仕事も失い、家族の生活は荒廃。幼い頃から家族との確執を抱え、家を飛び出すことばかり考えてきた灯。なぜこの家族に生まれてきたのか。家族と私、国籍と私――双極性障がいを発症し、回復を目指していく中で希望を探し続ける日々。時を経て障害との付き合い方がわかってきた灯は、新しい職場で長田区にある丸五市場の再開発計画と関わることに。
震災の1カ月後に生まれた在日韓国人三世「金子灯(あかり)」を演じる「富田望生(とみた みう)」さんは、福島県いわき市出身の俳優さんです。
小学5年生の時に「東日本大震災」に遭遇し、引っ越した先の東京で俳優となりました。
有名なテレビドラマ「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」や映画「ソロモンの偽証」など、多くの作品に出演しています。
映画出演にあたっての、富田望生さんのコメントがこちら。
初めて立った神戸で、再び会うことが叶った方々に「灯ちゃんを託します」と伝えられた際、願ってもない巡り合わせが突然訪れることがあるのだと、大変驚きました。
灯という女の子は様々な揺らぎを抱えています。彼女と向き合うには、頑張りますの言葉だけではきっと難しい。いつぞやと変わりなく、ゆっくり優しく見つめてくれるチームと、この身を以て、丁寧に紡いでければと思います。
映画『港に灯がともる』どうぞ宜しくお願い致します。
今回監督を務める安達もじりさんは、阪神・淡路大震災時、被災者の心のケアに奔走した、実在の精神科医を描いた映画「心の傷を癒すということ」でも監督を務めた経験があります。
今回の映画を製作するにあたってのコメントがこちらです。
NHK土曜ドラマ「心の傷を癒すということ」を制作してから4年が経ちました。同作の劇場版化にご尽力いただいたみなさんから、神戸を舞台に、心のケアをテーマにした映画を撮りませんかというお声がけをいただきました。脚本の川島天見さんやプロデューサー陣と長い時間をかけて温めてきた物語です。
神戸での取材でお聞きした話は、考えさせられることがあまりにも多くありました。震災で家や仕事を失い「わが町」を追われた被災者たちの、その後の長い年月に及ぶいろんな苦悩もお聞きしました。町は復興しても、心の傷はすぐに癒えるものではないということも、改めて痛感しました。「人が人として生きること」とは何なのか、その根源的な問いを前に、日々悩みながら製作準備を行っています。いろんなルーツをもつ人がともに生きる文化を育んできた神戸だからこそ伝えられるメッセージを、作品の中でしっかり表現し、届けていきたいと考えています。富田望生さんという、真摯に作品に向き合い、人が生きることを真っすぐに表現する力を持った素晴らしい俳優さんをヒロインにお迎えすることができて心震えています。この映画『港に灯がともる』という作品を通して、一人でも多くの方に、神戸で出会った皆さんの思いが届くことを願っています。
映画は、2024年3~4月に「神戸市内各所・長田区丸五市場」などで撮影予定で、2025年1月に公開予定となっています。
2025年は阪神・淡路大震災から30年の年。節目となる年に公開されるこの映画は、どんな作品になっているのか気になりますね。
主役の富田望生さんは、今回が映画初主演なんだそう。
ちなみに、監督の安達もじりさんは、神戸でも撮影が行われた「探偵ロマンス」でも演出を務めていますよ。
◆関連リンク
・『港に灯がともる』作品情報 | cinemacafe.net - 公式サイト