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京都ならではのご当地麺〜きつねにたぬきにけいらん…ゴム?鬼!?〜

2023.08.23

(右下)画像提供:総本家にしんそば 松葉

老若男女問わず大好きな麺料理。京都にも独自の文化が育んだ個性あふれる麺料理がたくさんあります。定番の“きつねうどん”や“たぬきうどん”も、東京や大阪と違いがあるのをご存じでしょうか。他にも、宮津市のソウルフード“カレー焼きそば”や、福知山市の“ゴム焼きそば”“鬼そば”という謎めいた料理も気になります。今回は、京都ならではの麺文化についてまとめました。

うどん屋「やっこ」で愛される京都の定番うどん

カツオと昆布の風味を利かせたダシに、ふっくらとやさしい食感の麺が調和する京都のうどん。京都人は親しみを込めて「おうどん」と呼び、色々な具をのせたうどんが飲食店や家庭で食べられています。


今回は、地下鉄丸太町駅から徒歩3分の場所で、1930(昭和5)年から90年以上にわたり、うどんやそば、丼などを提供する「やっこ」さんに、京都の定番うどんを作っていただきました。


「やっこ」は、普段から地元の人はもちろん、観光客なども訪れる人気店。うどんの出汁に細打ちの中華麺を合わせた名物料理“キーシマ”を求めて、わざわざ遠方から訪れる人もいます。


自家製麺とやさしいお出汁が特徴のうどんは、シンプルなかけに始まり、揚げ玉が入った”はいから”や鶏肉とネギの”鳥なんば”など、28種類と豊富なラインナップが揃います。今回は、こちらのメニューのなかから、京都らしさを感じられる5品をご用意いただきました。

きつねうどん

“きつねうどん”といえば、四角い油揚げがうどんにのったものを指しますが、京都では食べやすい大きさに刻んだ油揚げとシャキシャキとした食感の九条ネギが入ったものを、きつねうどん”と呼びます。
刻んだ油揚げは、店によって味付けをするところとしていないところがあり、「やっこ」では、甘辛く味付けをした“甘きつね”にして提供。シンプルな見た目ながら、油揚げの食べ応えも十分あり、ほんのり甘いお出汁とふっくらとした麺が見事にマッチした美味しさを楽しめます。九条ネギの心地良い食感もたまりません!

たぬきうどん

東京では揚げ玉が入ったうどんやそばを指す“たぬき”。京都では、あんかけのきつねのことをたぬき”と呼びます。ちなみに大阪で“たぬき”といえば、油揚げをのせたそばのこと。同じ関西でも、京都と大阪で違いがあるのも面白いですね。京都ではたぬき以外にもあんかけの麺料理が好まれますが、「底冷えがする冬に体を温めてくれるものが好まれているから」「出前で運んでも冷めにくいから」などといった理由が挙げられます。

しっぽくうどん

京都で古くから食べられている“しっぽくうどん”。店によって入る具材が異なりますが、甘辛く炊いた肉厚のシイタケにカマボコ、湯葉、お麩などの具材がのっています。“しっぽく”の語源には、長崎の「卓袱料理」(しっぽくりょうり)をうどんで表現したという説や宇治にある黄檗山萬福寺の「普茶料理」が由来だという説があります。「やっこ」のしっぽくうどんは、肉厚なシイタケを中心に、薄焼き卵や板麩、梅麩、カマボコなどの具材が取り囲み、見た目も贅沢!風味豊かな出汁との相性も抜群で、食べ応えも◎な逸品です。

のっぺいうどん

しっぽくをあんかけにしたのっぺいうどん”も京都人に愛されるメニューのひとつ。具材が豊富で彩りが豊かなしっぽくは別名“おかめ”とも呼ばれていますが、このおかめにあんをかけて具材が見えづらくなることで「のっぺらぼう」のようになってしまうことが名前の由来だといわれています。

けいらんうどん

京都を代表するあんかけ麺料理といえば、こちらのけいらんうどん”。かつて高級品として珍重されていた卵が贅沢に使われていたことがネーミングの由来といわれており、溶き卵のあんかけに生姜のアクセントが利いた、体を温めてくれる人気メニュー。「やっこ」でも、最近は若い人を中心に、季節を問わず注文が入るそうです。

100年近くにわたって地元の人はもちろん、観光客からも愛される「やっこ」。歴史と居心地の良さを兼ね備えた空間で、美味しいうどんやそば、名物の“キーシマ”や丼など、多彩なメニューを手頃な値段で楽しめます。京都御所などからも近く、観光の途中に立ち寄るのもおすすめです。定休日や営業時間については、公式Instagramを確認してくださいね。

京都の冬に欠かせない”にしんそば”

画像提供:総本家にしんそば 松葉

京都ならではの麺料理で忘れてはいけないのが、にしんそば”です。大きな身欠きニシンの甘露煮がのったそばは、京都を訪れたならぜひ食べたいと思う人も多いのはないでしょうか。それにしても、なぜ海のない京都でにしんそばという料理ができたのか、気になりますよね。にしんそばが京都で食べられるようになった理由を下記記事内にまとめていますので、ぜひチェックしてくださいね。

つゆだくからドライまで! 店ごとにバラエティ豊かな宮津市の“カレー焼きそば”

画像提供:宮津市商工会議所

天橋立で有名な、海の京都・宮津市には、戦後復興期に宮津の人々を元気づけたカレー焼きそば”があります。具材や味付けは店ごとにさまざま。なかには、スープパスタのようなスタイルの焼きそばを提供する店もあります。

福知山を代表するB級グルメ“ゴム焼きそば”ってどんなもの?

福知山市の名物麺料理”ゴム焼きそば”を知っていますか?ソースで味付けをする前から見た目がゴムのような中華麺を使っていることが名前の由来なのですが、なぜゴムのように茶色い色をしているのでしょうか。秘密は製法にあるそうです。

鬼伝説が残る大江山の名物“鬼そば”

画像提供:大江山 鬼そば屋

かつて鬼が住んでいたといわれていた大江山。こちらで、古くから食べられているのが“鬼そば”です。鬼が食べていたことが名前の由来? それとも、鬼が打っていた伝説でもあるの? いやいや、実は、福知山の方言に由来があるみたいです。

お薬師さんにちなんだ新しい郷土食“耳うどん”

画像提供:下大久保虹の村づくりの会

森の京都・京丹波町の下大久保地区では、耳の病気にご利益があるといわれる薬師如来が祀られた薬師堂があり、古くから多くの人々が足繁く参拝したという伝承が残っています。その伝承を記憶に留め、地域の新しい特産品にしようと開発されたのが耳うどん”です。どんな特徴があるのでしょうか。詳しくは下記リンクをチェックしてくださいね!

■■記事協力■■

やっこ
住所:京都市中京区夷川通室町東入ル冷泉町76
TEL:075-231-1522
営業時間:11:30~19:00(土曜は~14:30)
定休日:日曜、祝日
※最新の営業時間や定休日は、Instagramで確認
https://www.instagram.com/yakko_1930/

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