「兵庫県庁舎」1、2号館を取り壊すことになったので見てきた。跡地は「緑地化」?移転先に心配も
齋藤知事が会見で、兵庫県庁舎の1、2号館の解体を発表したので、周辺を見てきました。
神戸市中央区下山手通5
兵庫県の齋藤知事は、3月29日の会見で、兵庫県庁の「2号館」と「議場棟」の詳細な耐震診断の結果を発表。
阪神淡路大震災クラスの「直下型地震」では倒壊・崩壊に至る可能性があるため、以前の検査で同様の結果だった「1号館」とともに「2号館」を解体するとしました。(議場棟については、今後議会と相談)
約2年かけて準備をし、約2500人いる職員は近くの施設に分散させ、出勤を交代制にしたりリモートワークを活用するなどして出勤率を「4割程度」に抑えることで、2つの建物がなくなってもやっていけるようにするそう。
「4割」というのは、コロナ禍で実際にやれた実績があって、パソコンのモバイル化などもすれば対応できるイメージのようです。
職員の配置先として検討されている施設は、3つありまして、1つは1990年に「新耐震基準」で建てられた「3号館」。
地上14階、地下4階で、延べ床面積的には、少し1号館より小さいくらいです。
もう1つは、2号館のすぐ海側にある「県公館」。
1902年(明治35)に4代目の兵庫県庁舎として建設され「国の登録有形文化財」にも登録されている建物。1985年に改築工事がされてます。
再び県庁舎に返り咲くことになるかもしれません。
最後の1つは、1号館の西にある「生田庁舎」。1963年(昭和38)に建てられた築60年ほどの建物です。
井戸前知事時代の再整備資料の中では、老朽化していると指摘されていて、見た目にも年季を感じさせます。
元々入っていた「県民センター」は、新長田庁舎や西神戸庁舎に移転しているのでスペースはありそうですが、耐震については改めて調べた方がいい気がします。
会見で耐震強度を問われた知事は「今のところはあります」と答えているので、やっぱり無理…ってなることもあるのかも。
もしどうしても一定規模の庁舎が必要だとなれば、700億円かかるされた井戸前知事時代の計画に比べてコストがかからない「コンパクトな庁舎を作ることを目指す」そうです。
1、2号館の「跡地」に関しては、暫定的に「市民緑地を整備」して、住民の憩いの場やイベント利用、防災拠点にする考え。
現在も「2号館」海側には「県民オアシス」として木々が植えられたり、まあまあの広さの緑地があります。
「1号館」の海側には広々した「芝生広場」も。
この日は雨上がりということもありますが、休日でもたくさんの人で賑わっている印象はないような…。
どの程度需要があるのか、今後見極めていく必要があるかもしれませんね。
ちなみに「耐震改修」という考えはないのか?という疑問も湧いてきます。
それに関しては、知事「最低でも150億円以上が1号館、2号館の耐震改修に必要。そもそも築年数が50年以上経過していて、階段が多くバリアフリー対応ができていないところもある。コストに見合わない」とのこと。
ヴィーナスブリッジから眺めた3つ並んだ兵庫県庁舎
1、2号館は、早ければ2026年度には取り壊しを始め、2028年度には緑地化されるスケジュール感です。
庁舎に出勤する人の数が減れば街の活気にも影響があります。山・駅・商店街・海までの「縦」の人の流れをどう作っていくのかも、今後検討されていくそうです。
約5年後ほどの間に、県庁周辺がどう変わっていくのか?今後の動きも注目していきたいと思います。
◆関連リンク
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