JR三ノ宮駅すぐ「帝国信栄株式会社」の本社屋が『国登録有形文化財(建造物)』に申請されたみたい。昭和前期、清水栄二による設計
JR三ノ宮駅のすぐ近くに本社を構える「帝国信栄株式会社」の本社屋が、『国登録有形文化財(建造物)』になる見込みのようです。
神戸市中央区琴ノ緒町5-4-1
JR三ノ宮駅の東口改札前にあるロータリーを出てすぐ、パチンコ店「プレミオ三宮駅前店」がある路地に入ります。
路地にはいってすぐの交差点の、左側に「帝国信栄株式会社」の本社屋があります。
向かい側には居酒屋「どんがめ」があるあたりです。
反対側を向くとこんな感じ。駅からすぐ、飲食店や学習塾が並ぶエリアです。
「帝国信栄株式会社」は、明治26年(1893年)創業の「日本最古の不動産会社」といわれている会社です。
現在の本社屋自体は「昭和前期」に建設された鉄筋コンクリート造の建物。
「御影石」での縁取り・垂直性を強調した柱形で、「セセッション(※)」が取り入れられているそうです。
※19世紀末、ドイツ・オーストリアに興った芸術運動。既存の機構や過去の芸術様式から分離して新しい創造をめざし、建築・工芸・絵画など多方面に及んで、各国に大きな影響を与えた
営業室の柱には、変形した「イオニア式柱頭飾」がついています。
設計は、「御影公会堂」や「旧神戸市立生糸検査所(現:KIITO)」なども手掛けた「清水栄二」によるものなんだそうです。
『登録有形文化財(建造物)』は「50年」を経過した歴史的建造物のうち、一定の評価を得たものを文化財として登録する制度。
この「帝国信栄本社屋」が登録されると、神戸市内の登録有形文化財(建造物)は「111件」になる予定なんだそうです。
登録された建造物は保存・活用が促進されることになります。
最近だと兵庫区にある『岡方倶楽部』が、改修して市の「歴史・公文書館」になることが決まりました。
今回の場合は、現在も本社として機能しているので、すぐに何かに活用ということにはならなさそうです。
意外と身近にある文化財、「歴史がある建物だ」と分かってみると、また違う見え方になるかもしれませんね。
◆関連リンク
・帝国信栄株式会社 - 公式サイト
・有形文化財(建造物) | 文化庁 - 公式サイト