関西をもっと楽しむライフスタイルマガジン
日本の筆や墨は弘法大師空海が唐から持ちかえった製法を基に、奈良の地で作られ始め全国に広がったとされる。有名社寺の多い奈良では、職人たちの手によって連綿と受け継がれていき、墨は現在も全国トップシェアを誇る。そんな奈良墨・筆の老舗と関連スポットをご紹介
【目次】
<書道具専門店>一心堂
<墨>古梅園
<墨>錦光園
<美術館>奈良市杉岡華邨書道美術館
<筆>松林堂
<筆>奈良筆 田中
<墨>喜壽園
<筆>あかしや
<筆>墨運堂
<筆塚・奈良筆祭り・筆供養>菅原天満宮
創業100年余り、奈良三条通りに店舗を構える、奈良墨・奈良筆をはじめとする書道具専門店。約300種類の筆や約100種類の墨など、本格的な書道用のものから手ごろなおみやげ品などが店内に並ぶ。
創業1577年、墨の製法を開発。研究を重ね日本の墨の礎をつくり、天皇家や徳川将軍にも御用墨を奉納。純植物性の煤を採取する伝統技法が今も守られているゆえ、400年余りの間多くの文人墨客に愛用される。12~4月の間は見学(にぎり墨体験)あり。
創業150年、昔ながらの製法で「奈良墨」の伝統を守り続ける。扉を開けると墨独特の香りがふわっと漂う店内は、どこか懐かしく心落ち着く空間。生の墨を手で握って作る『にぎり墨』や、家にいながら体験できるオンライン墨づくり『奈良墨職人』なども。
2000年秋、文化勲章を受章した杉岡華邨より作品の寄贈を受けたことをきっかけに、2000年夏に開館した書道専門の美術館。作品の保管はもとより、書道の発展に寄与するため、同氏や書道家らの作品展示のほか実技講座なども開催する。
明治3年創業の毛筆製造販売の老舗。全国の学校書道用の筆から書道大家の選定筆まで職人の手で製造。羊毛筆からイタチ、狸をはじめ、山馬、孔雀、七面鳥などの特殊筆まで種類豊富なほか、墨や紙、書道手本なども扱う。コンパクトな筆墨セットや携帯筆もあり。
奈良筆の伝統技術「練り混ぜ法」という制作工程が特長。最初から最後まで全工程を一人の職人が行う。工房では伝統工芸士による筆づくりを見学できるほか、筆づくり体験(最終工程/出張可)もできる。赤ちゃんの髪の毛で「誕生筆」も受注。
昭和天皇への御墨献上の栄誉に賜った「奈良墨」の伝統を150年にわたり受け継ぐ老舗。固形墨のみを職人が一つ一つ丁寧に伝統製法に基づき製造する。体験講座やワークショップなど墨の普及活動にも力を入れており、冬季には無料での工場見学も行っている。
江戸時代から筆の文化を継承するあかしやのショールーム。書道筆はもちろん、和紙や竹、漆塗りで仕上げた筆ペンや、気軽に水彩画を楽しめるカラー筆ペン、肌触りのやさしい化粧筆など、様々な筆に触れられる。大人のたしなみに、自分用にもギフトにも♪
1805年創業。長い伝統の上に新しい素材・技術・知識を取り入れ、変化する時代のニーズに応えながら価値ある製品づくりを目指す墨一筋のメーカー。職人による墨の型入れ作業の見学や墨の展示室、にぎり墨体験などもできる。
生来聡明で詩歌の道など文筆に励み、学芸の神と仰がれた菅原道真公を祀る日本最古の天満宮。試験合格・学徳向上祈願と共に文筆者の信仰が篤い。2月3月は公の愛した梅の盆梅展、春彼岸には境内の筆塚を中心に奈良筆祭り・筆供養が行われる。
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