TOP ローカル 奈良 「夜空を見上げてください」平群町で初めての打ち上げ花火を、地元有志らがサプライズ

「夜空を見上げてください」平群町で初めての打ち上げ花火を、地元有志らがサプライズ

平群町制50周年 平群史上初の打ち上げ花火

 去る6月6日、奈良県の平群町でサプライズの打ち上げ花火が行われ、夜空に約80発の大輪の花を咲かせた。打ち上げ場所の旧平群西小学校近くにある平群町総合スポーツセンターでも、夜8時に突然の轟音と共に花火が打ち上がると、その場に居合わせていた家族連れが「おぉー!すげー!でっかい!きれい!」と、めいめいに歓喜の声を上げ、約5分間の天体ショーを満喫した。

打ち上げ当日に、SNS上で告知されたメッセージ

地元の有志「平群盛り上げ隊」が、自費プロデュース

 主催したのは、「平群盛り上げ隊」という地元の有志たち。代表者の玉井健志さんが中心となり「コロナ禍で明日への不安を抱いている人へ、少しでも希望と勇気を届けることができれば」と、今回の花火を企画。費用についても、平群盛り上げ隊の自費で賄った。役場、消防署、警察署への事前申請や、旧西小学校周辺住民・自治会長との合意など、約1か月間準備に奔走した。
 コロナ禍でもあり、町民に対しては直前まで極秘。当日に「今夜8時、平群の夜空を見上げてください」というメッセージを、町内放送やSNSでアナウンス。密を避け、自宅から花火を観賞してもらえるような形をとった。

平群西小学校にて、花火の準備作業
土嚢の荷下ろし
作業する玉井代表

 当日は、玉井さんの志に共感する平群盛り上げ隊メンバーはじめ、平群町商工会青年部、隣町の三郷町商工会青年部の仲間も駆けつけ、総勢約20人のボランティアが一致団結。警備・交通誘導・撮影・ごみ掃除などを手分けして行った。花火の打ち上げは、和歌山県田辺市を拠点に活動するイベント企画団体「Recvation(レクベーション)」が担当。玉井さんの想いに打たれ、全面的に協力した。さらに、関西で活躍する3人組音楽ユニット「HoneyGOLD」は、無料のLive配信で華を添えた。
 奈良のユーチューバー「電王おじさん」と「稲場よん」も参加。3年前に自殺を生配信した大和郡山市の女子高生のニュースがきっかけで活動を始めた彼ら。「悩みを抱える人の助けになって勇気づけたい。笑顔にしたい」と、今回の花火に自分たちの活動の想いを重ねた。

「HoneyGOLD」のLive配信
(右から)Youtuber電王おじさん、玉井代表、稲場よん
平群盛り上げ隊の皆さん(撮影時のみマスクを外していただきました)

「平群で初めて花火を見た。すごく感動して涙が出てくる。明日からもがんばれる!」
「イヤなことばかり考えて落ち込んでいた気持ちがスカッと晴れました」
「綺麗な花火、家族で見させてもらいました。最近、あまり出かけてなかったので、チビ達もめっちゃ喜んでました!」
「感動と感激で盛り上がりましたっっ(キラキラ)あの5分間は平群町が最高にハッピーになれたと思います」
これらは、打ち上げ直後から、玉井さんの携帯に続々と届いたメッセージの一部だ。いずれも、平群盛り上げ隊、玉井さんへの感謝の言葉が添えられていた。


ドローン空撮した花火映像(クリックで映像が流れます)

あなたのハートに火をつける! それぞれの明日のために!

「僕が火をつけたのは花火じゃない、みんなの心。多くの熱い仲間がいつも支えてくれることに感謝しています。何もできない何もしないというのが一番嫌い。これまでやろうとして実現できなかった平群町初となる「打ち上げ花火」を、町制50周年にできたこと。コロナ禍という逆境の中でも、気持ち一つで本気になったらできる。この花火一発で、『明日も頑張ろう』『こんな素敵なことが急に起こるんや』『人生って捨てたものじゃない』など、見た人それぞれの心に響いてくれたらうれしい。僕自身も成長させていただきました」と、玉井さんは振り返った。彼らの挑戦の日々は続く。

<主催者情報>
【企画】平群盛り上げ隊 https://www.facebook.com/198426377368969/
【Live配信】HoneyGOLD https://www.honey-gold.love/
【Youtuber】電王おじさん&稲場よん   https://www.youtube.com/channel/UCBxwQkcbK-WePdCQQ0GdITA
【花火】Recvation https://www.instagram.com/recvation/

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