早春を彩る京都府内の厳選・梅の名所8選
昔から日本人の心を惹きつけてやまない紅白の梅の花。京都府内にも、例年梅見に多くの人が訪れるスポットがたくさんあります。今はなかなかお出かけするのは難しいので、ぜひ画像を通じてその美しい景色を楽しんでください。KYOTOSIDE編集部が厳選した8つのスポットをご紹介します。
つぼみから咲き始め、花吹雪に散り納めまで。その全てが美しいしだれ梅
城南宮(京都市伏見区)
京都市伏見区の城南宮は、平安遷都にあたり皇城南に守護神として創建。「方除(ほうよけ)の大社」として信仰を集め、方除・厄除・家庭円満・会社繁栄の御利益を求めて多くの人が訪れています。
境内に設けられた神苑は、源氏物語に登場する約80種の草花が植栽されていることから、別名「源氏物語 花の庭」と呼ばれている名所。春の山、平安の庭、室町の庭、桃山の庭といった趣の異なる庭園が設けられ、季節ごとに美しい景色を楽しめます。
春の山には150本のしだれ梅があり、その開花は京都の早春の風物詩として知られています。紅白、薄紅色のしだれ梅は、咲き始め(探梅)から見頃(観梅)、散り際(惜梅)まで、そのすべてが美しく、まさに雅な京都を象徴する光景です。
また、城南宮には50種300本の椿が植えられており、12月から3月まで多彩な椿の花を楽しめるのも魅力的。例年2月後半から3月にかけては「しだれ梅と椿まつり」が開かれ、美の共演を心行くまで堪能できます。
■■INFORMATION■■
城南宮
住所:京都市伏見区中島鳥羽離宮町7
拝観時間:9:00~16:30(受付は~16:00)
拝観料:境内自由、神苑拝観600円
アクセス:京都市営地下鉄・近鉄竹田駅から徒歩15分、市バス停「城南宮東口」から徒歩3分、竹田駅からタクシーで3分
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菅原道真公ゆかりの神社に咲く紅白の梅
生身天満宮(南丹市園部町)
「日本最古の天神さん」として知られる、南丹市園部町の生身(いきみ)天満宮。祭神・菅原道真公が梅の花をこよなく愛したといういわれもあることから、参道の南側には梅園が設けられています。
梅園内には、旧園部町の花に選定された紅千鳥をはじめ、早咲き、遅咲き、八重一重など多彩な紅白梅が入り交じり、春先になると美しく咲き誇る梅の花の香りで辺りが満ちるそうです。こちらの梅園で採れた梅は「合格梅」として漬け込み、心願成就祈願の祈祷、お祓いを行い、合格祈願の祈祷やお守りを受けた方限定で授与されているとのこと。同様に、初宮詣りや厄除けなど各種祈祷を受けた方にも、撤饌(てっせん)として渡すそうです。(ともに数量限定)
■■INFORMATION■■
生身天満宮
住所:京都府南丹市園部町美園町1-67
拝観料:境内自由
アクセス:
【公共交通機関の場合】JR園部駅西口から徒歩約12分
【車の場合】(京都方面から)京都縦貫自動車道八木西I.C.から車で約4分
(舞鶴方面から)京都縦貫自動車道園部I.C.から車で約5分
※八木西I.C.では降りられませんのでご注意ください。
問い合わせ:0771-62-0535
公式HP:https://www.ikimi.jp/index.html
公式FB:https://www.facebook.com/ikimitenmangu/
公式instagram:https://www.instagram.com/ikmi_tenmangu/?hl=ja
梅の木が約10,000本!府下最大規模を誇る梅林
青谷梅林(城陽市)
京都府南部・城陽市にある青谷梅林(あおだにばいりん)は、約10,000本もの梅の木がある京都府最大規模を誇る梅林。その歴史は古く、鎌倉時代には後醍醐天皇の皇子・宗良親王(むねよししんのう)が和歌に「風かよふ 綴喜の里の梅が香を 空にへだつる 中垣ぞなき」と詠んでおり、当時からこの地に梅林があったことがわかります。
明治時代に一時衰退してしまいましたが、地元の有力者たちがこの梅林の素晴らしさをもっと多くの人に知ってもらおうと考え『青谷絶賞(あおだにぜっしょう)』というPR誌を発行。田山花袋をはじめ著名な文人が紀行文や歌を投稿し、たちまち青谷梅林の名は全国的に有名になりました。
同地には、現在も「生産梅林」があり、梅の加工品もたくさん作られています。6月下旬から収穫が始まる幻の梅「城州白(じょうしゅうはく)」は、ほぼ青谷でした栽培されていない希少な品種なのだとか。桃のような甘いフルーティーな香りと肌質が特徴で、身も肉厚だそうです。
■■INFORMATION■■
青谷梅林
住所:城陽市中中山
入園料:無料
アクセス:JR山城青谷駅から徒歩20分、近鉄新田辺駅から京都京阪バス「多賀口バス停」下車徒歩25分
問い合わせ:0774-56-4029(一般社団法人城陽市観光協会)
※現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、梅林内の立ち入りは禁止されておりますが、道路上から見学することはできます。
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フォトジェニックな梅の花に心躍る
綾部市梅林公園(綾部市)
京都府の北部に位置する綾部市。市の花に「梅」が選ばれているこの街には、2つの有名な梅スポットがあります。
そのひとつが、京都府立農業大学校から程近い場所にある綾部市梅林公園です。約15,000㎡もの広大な敷地には、紅梅や鶯宿、南高梅など約450本の梅の木が並び、訪れた人の目を楽しませています。
写真愛好家からも人気のスポットで、例年開かれるあやべ観光デジタルフォトコンクールでは、こちらの梅林で撮影した写真の応募がたくさんあるそうで、毎年のように入賞作品も選出されるとのこと。ぜひカメラ片手に訪れたいスポットですね♪近くには綾部ふれあい牧場があり、ランチやカフェ利用も可能。平日は、公園の100m手前にある豊里コミュニティセンターでトイレ休憩もできるとのことです。
また、たわわに実った梅の実は、爽やかでフルーティーな味わいの無添加梅シロップ『UMEUME』や、綾部市唯一の酒蔵・若宮酒造のリキュール『綾梅』などに使われています。こちらもぜひ試してください!
なお、綾部梅林公園は、梅の開花に合わせて開放を行います。開花状況につきましては、綾部市農林課0773-42-4267(直通)にお問い合わせください。
■■INFORMATION■■
綾部市梅林公園
住所:綾部市舘町
入園料:無料
アクセス:
【公共交通機関の場合】JR綾部駅からあやバス志賀南北線「舘バス停」下車、徒歩16分
【車の場合】国道27号「味方」交差点から丹波大橋を渡って府道8号線を直進。「鳥ヶ坪」交差点を右折して府道9号線に入る。「栗町」交差点で右折して、豊里郵便局の手前を左折し北へ進む。
問い合わせ:0773-42-4267(綾部市農林課直通)
里山に咲き誇る美しい梅の花。昔の製法を遵守した梅加工品も人気
和木町松原梅林(綾部市)
綾部市おすすめの梅スポット。2つ目は、市の東部に位置する和木町松原梅林とその周辺です。こちらの梅林には、南高梅や鶯宿、白加賀を始め、約80本の梅の木が植栽され、見頃を迎える時季になると、「和木町梅まつり」が開催。様々な催しが開かれます。(今年度は未定)
この地域は昔から「梅の里」としても知られ、地域の方々がこちらの梅を使って作る小梅漬けや梅干し、梅ジャムといった、無添加にこだわった加工品を楽しめるのも魅力です。
和木町松原梅林から車で4分走った場所には、2019年4月にオープンした山家ふれあいの駅があり、先ほどご紹介した和木梅の加工品や山家地区で採れた新鮮な野菜が販売。店内カフェ・喫茶ふれあいの駅では、日替わりのお弁当やドリンクなどが楽しめます♪また、季節ごとのスムージーや甘酒も人気なのだとか。どちらもぜひ試してみたいですね!
和木町松原梅林へは、JR綾部駅から約10分のアクセス。公共交通機関を利用する場合は、あやバスもしくはJR綾部駅南口にあるあやべ観光案内所でe-BIKE(電動アシスト自転車)のレンタサイクルを利用するのもおすすめです。
■■INFORMATION■■
和木町松原梅林
住所:綾部市和木町松原
アクセス:
【公共交通機関の場合】あやバス「西原町バス停」下車、徒歩約10分
【車の場合】JR綾部駅から車で約10分
問い合わせ:0773-42-9550(綾部市観光協会)
山家ふれあいの駅
住所:綾部市上原町(JR山家駅前)
営業時間:9:30~15:00
定休日:木曜(喫茶ふれあいの駅は、水・木曜休)
アクセス:JR山家駅前、和木町松原梅林から車で4分
問い合わせ:0773-21-5529(喫茶ふれあいの駅)
喫茶ふれあいの駅facebook:https://www.facebook.com/fureainoeki/
道真公が愛した梅の花が各所で咲き誇る
長岡天満宮(長岡京市)
菅原道真公が生前、在原業平らと共にしばしば訪れ詩歌管弦を楽しんだ長岡京。長岡天満宮は、太宰府へと左遷された際にこの地に立ち寄り「我が魂長くこの地にとどまるべし」と名残を惜しんだ縁故で、自作の木造を祀ったことが神社の創立といわれています。
また、長岡天満宮といえば、約20,000㎡もの広大な敷地を有する境内にキリシマツツジをはじめ四季折々の自然が広がることで有名ですが、春先の主役といえばなんといっても美しい花を咲かせる梅の木です。本殿前をはじめ境内の各所や隣接する長岡公園梅林には、紅梅や八重寒紅梅、しだれ梅、鶯宿梅、蝋梅など約300本の梅の木が植えられ、例年2月下旬から3月中旬にかけて見頃を迎えます。
■■INFORMATION■■
長岡天満宮
住所:長岡京市天神2-15-13
拝観料:境内自由
アクセス:阪急京都線長岡天神駅から徒歩約10分、JR長岡京駅西口から徒歩約20分
問い合わせ:075-951-1025
明智光秀ゆかりの城址に咲く紅白の梅
丹波亀山城址(亀岡市)
亀岡市の中心部にある丹波亀山城址は、明智光秀が丹波攻略の拠点として建てたお城です。かつては、五重の層塔型天守がそびえる立派な構えでしたが、明治時代に入ると廃城処分となり、所有者が転々としました。その後、荒れ果てた城址は宗教法人大本が入手し、石垣などが修復。往事の姿を偲ぶことができます。
敷地内には、梅の花が咲き誇る梅林が、主に正門(黒門)入口横の石垣付近と武道館前の2ヶ所あり、苑内には紅梅、八ツ房梅、緑萼梅(りょくがいばい)など約1,300本の梅木が、大切に育てられています。年によって変動がありますが、毎年1,200~1,500kg程の梅の実が収穫され、梅干しとして大本の食堂などで提供されているそうです。
■■INFORMATION■■
丹波亀山城址
住所:亀岡市荒塚町内丸1
アクセス:JR亀岡駅から徒歩約10分
問い合わせ:0771-22-5561(大本本部)
※緊急事態宣言下中は、丹波亀山城跡の見学・参観受入を休止しています。詳しくは、下記HPをご確認ください。
隠れ里に咲く梅の花が美しい
高尾の梅林(宇治田原町)
宇治茶で有名な宇治田原町。こちらの高尾(こおの)地区は大峰山系の中腹にあり、「弘法大師の井戸」や「施基皇子(田原天皇)」の伝承に彩られた隠れ里の雰囲気を今に伝えています。
集落の周辺や山上にはたくさんの梅が植栽され、京都市内方面を展望する景観とあいまった絶景は見事。標高が高い場所にあるため、他の梅林に比べて開花時期が遅いのも特徴的で、ハイキングシーズンが本格化する3月中旬以降に見頃を迎えるとのこと。集落から林道を上った場所は特に梅の木がたくさんあり、満開時には見応えも十分だそうです。
ただし、こちらは私有地のため、梅林内でのお花見はできませんのでご注意ください。
■■INFORMATION■■
高尾地区の梅林
住所:宇治田原町大字高尾小字向ヒ坂他
アクセス:JR奈良線宇治駅・京阪宇治駅・近鉄新田辺駅から京都京阪バス「維中前(いちゅうまえ)行き」「緑苑坂(りょくえんざか)行き」「工業団地行き」のいずれかに乗車。「下町(しもまち)」バス停から徒歩約45分
問い合わせ:0774-88-6638(宇治田原町産業観光課)