【年間137億円!】JRの駅名、進撃の巨人…数々のヒットを生み出す企業の裏側
毎日の生活の中で目にしない日はない“文字”。文字の種類であるフォントを作り出すための作業は、まさに職人技! 一つのフォントを生み出すには、気の遠くなるような工程の数々が必要だって知っていましたか?
今回は、2020年10月6日(火)に読売テレビ『朝生ワイド す・またん!』の人気コーナー『まるトクZIP!』で放送された、フォントメーカーの仕事の裏側をご紹介します!
■身の周りで毎日目にする“フォント”を作っているのは?
普段、私たちが何気なく目にする文字。パソコンやスマホを使っていると、目にしない日はないですよね。
記事などを読んでいても、様々な種類の文字が並んでいますよね。こういった書体のことを、“フォント”と呼びます。ゴシックや明朝といった名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
実は、フォントは販売されているんです! スマホやパソコンの普及で大きく拡大しているフォント市場の国内シェアナンバーワンを誇る企業が、大阪府浪速区の『株式会社モリサワ』です。
例えば、JR西日本の駅名の文字は、なんと全てモリサワのフォント!
ほかにも、累計1億万部を突破した人気漫画『進撃の巨人』のタイトル文字や、
社会現象にもなった、新海誠監督の映画『君の名は。』や『天気の子』のタイトル文字にも、モリサワが作ったフォントが使われているんだそうです。
今回は、並々ならぬ苦労とこだわりを詰め込んで行われるフォント作りの裏側に迫ります!
■国内トップシェアを誇るフォントメーカーに潜入!
モリサワのフォントは、日本全国のデザイナーをはじめ様々な人に利用されています。売り上げは年間なんと137億円!
利用者はモリサワと『PS1台・1年契約』(49,800円・税抜き)といった形でライセンス契約を結びます。
モリサワは今から100年近く前、文字を印刷する機械のメーカーとして創業しました。
その後フォント事業に乗り出し、使われる媒体に合わせて新たなフォントを次々に生み出してきました。今では1,000種類ものフォントを取り扱っているというから驚きです!
そして、来年に延期となった東京オリンピック専用の東京2020公式フォントのデザインを手掛けたのも、モリサワなのです! その一大プロジェクトのリーダーを務めたのが阪本圭太郎さん。様々なフォントの秘密を教えてくれました。
普段の生活の中でフォントを意識する機会は少ないものですが、新聞の文字や映画の字幕、お店の看板など、実は身の周りにはたくさんの種類のフォントがあるんです。
例えばこの教科書体も身近なフォント。「教科書体は、とめやはらいなどの筆跡を感じられるように作られているのが特徴です」と阪本さん。実際に、奈良県の学校では校内で配布されるプリントやテストに使われています。
■フォントの開発現場を覗き見!驚くほど精密な制作過程とは?
フォントの開発には4つの工程があります。まず最初に会議で、市場調査の結果などをもとに新たなフォントのイメージを固めます。
ちなみに今のフォントのトレンドは「オールドスタイルと呼ばれる、少し懐かしさを感じる書体です」と阪本さん。
次に、会議の結果をもとに、なんと手書きでフォントを作成します。
その際に基準となるのが「永」という字。この字には、点、とめ、はね、左右のはらいといった書道の要素・永字八法が全て入っているのが理由だそう。
次に、手書きで書いたフォントをパソコンに取り込み、さらにデザインを仕上げていきます。1つのフォントにつき、1万〜2万文字を作り上げるのだとか。気の遠くなるような作業ですね……。
しかも、さらにそのこだわりが半端じゃないんです。何度も何度も微調整を加えながら、やっと一つの文字が完成。文字の線のカーブの深さや大きさ、バランスを探りながら少しずつ調整していくそう。
これが漢字になると、さらに複雑に……。例えば部首のくにがまえ一つをとっても、中に入る文字の混み入り具合によって、どの文字も同じような濃さに見えるよう部首の形を微調整しているんです。
そして最後の工程がテスト。実はここからが長いんです。フォントの開発期間は、一つあたりおよそ1年間。文字を書いたら完成ではなく、ここから同じくらいの時間をかけて、熟語や読みやすさのテストを繰り返していく必要があります。
さらにアルファベットの場合は、文字と文字の間をどれくらい詰めるか、間隔の調整を一つ一つ行う必要が。およそ3万通りの組み合わせを検証するのだとか。途方もない作業量に、ただただびっくりですね。
こうして、毎日毎日文字と向き合い続けた末に、一つのフォントが完成するのですね。
ちなみに、およそ74万字を収録する『黎ミン』というフォントは、世界で最も文字数の多い書体ファミリーとしてギネス記録に認定されています。開発にはなんと、10年間もの月日を要したのだとか!
しかし、モリサワのフォントが使われている商品を見てみても、会社名はどこにも記載されていません。デザインした企業名が出ていないことについて、「デザインの主役は、媒体がどういうメッセージを伝えたいか。発信する側と受け取り手で良いコミュニケーションができていれば、私たちはそのお手伝いができていれば十分」と阪本さん。フォントメーカーは、色々なメディアの“陰の功労者”なのですね。
あなたが今手に取っているその商品にも、もしかしたらモリサワのフォントが使われているかも? 日常の中で身近なフォントに目を向けてみると、新たな発見があるかもしれませんね!
【関連記事】SNSで大ブレイクした“バズりツイート”の裏側とはいかがでしたか? 何気なく目にしていたフォントがこんな苦労の末に生まれてくると知ったら、身近な文字に注目してみたくなりますね!(文/ななえ)
【画像・参考】
※ 読売テレビ『朝生ワイドす・またん!』(月曜~金曜 5時20分~)
※ この記事は2020年10月6日(火)放送時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。
※この記事は2020年11月6日(金)に再編集しております。
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