言われてみたらちょっと気になる…「食品サンプル」製造現場の裏側をのぞき見
街中を歩いていると、店頭でよく見かける食品サンプル。いったいどのように作られているのか気になりませんか?
今回は、2019年5月31日(金)に、読売テレビ『大阪ほんわかテレビ』で放送された『情報喫茶店』より、食品サンプルの老舗企業『森野サンプル』の製造現場をご紹介します! 夏に作っている食品サンプルを3つ教えていただきました。
■1:大阪・平野区にある食品サンプルの老舗『森野サンプル』
大阪・平野区にある食品サンプルを作る老舗企業『森野サンプル』。
大阪・天保山にもお店を構えるなど、食品サンプルのお土産などが観光客を中心に大人気なんです。
『森野サンプル』では食品サンプルを全て手作業で作っているんです! よって日々制作に追わているのですが、特に5月~6月は夏モノの制作で大忙しなんだそうです。
食品サンプルといえば、お湯の中で、色付けしたロウを固めて作るというやり方なら知っているという人もいるのでは? しかし、最近は全く違う作られ方をしているんです。
今はビニール樹脂を型に入れて作るのが主流。保存もできるため、よく使われる食品は大量に作っておき、あとから細かな加工や色付けをしていくそうです。
■2:夏の食品サンプルの代表格・冷やし中華はこうして作られる!
夏の定番食品サンプルとして、この時期に作られる冷やし中華。こちらは、ゆで卵から制作します。写真の楕円形の型に白いビニール樹脂を流し、ゆで卵の白身部分を作っていきます。
オーブンで熱を加えて、ゆで卵の白身が完成! 次に黄色く着色した粘土状のビニール樹脂をくぼみの部分に入れていきます。
本物の包丁で整えながら、ゆで卵を切った時の黄身の断面を再現します。
このままでも十分ゆで卵に見えますが、最後にもうひと手間。エアーブラシで黄身の部分に着色していきます。
そして、出来たがったゆで卵がこちら。絶妙な着色で本物の半熟ゆで卵にしか見えません!
続いて、冷やし中華にのせる具材を順番に切っていきます。この緑色のシートを包丁で千切りにしていきます。こちらはキュウリに変身!
キュウリと同様に本物そっくりのハムも千切りにします。
ビニールで出来た中華麺を器に並べて、熱を加えながら5つの具材を盛りつけます。
すべての具材を盛り付ければ、冷やし中華の出来上がり! 本物と見間違えるほどそっくりですよね。
■3:トッピングも全てオーダーメイドの『ソフトクリーム付かき氷』
続いて作るのは、夏ならではの食品サンプル・かき氷。氷を表現するために、粒の大きさが異なる透明のアクリル樹脂を使用します。
まず、アクリル樹脂が入ったボウルに接着剤を大量に入れて、よくかき混ぜます。
かき混ぜたら、容器に移します。
赤い着色料を上からかければ、おいしそうなかき氷の出来上がり。『森野サンプル』では、オーダーメイドで食品サンプルを作るため、これだけでは終わりません。
お客さんからの依頼に応じたトッピングをのせて、ソフトクリーム付かき氷が完成しました。
■4:夏に制作しているのはおせち料理!?
『森野サンプル』では、毎年夏はおせち料理のサンプル作りで大忙しなのだそうです。
少し早いようにも思いますが、百貨店などのおせち料理の予約受付が早い所だと9月中旬からスタートするため、それにあわせて作り終えないといけないのだそうです。
いかがでしたか? 様々な技術を駆使して作られている食品サンプル。街中で見かけた際はその精巧な技術に注目してみてくださいね。(文/原田 静香)
【画像・参考】
※ 読売テレビ『大阪ほんわかテレビ』(毎週金曜 よる7時~)
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